日立唯一の簿記教室・士(サムライ)塾の後藤充男(みちお)です。
こんばんは!
今回は、日商簿記1級受験生の大半が苦しむ、特殊商品売買の勉強法を書きたいと思います。
ただし、原価率算定においては、文章のみの説明では限界がありますので、各自、あなたの簿記講師にしつこいほど質問してマスターしてくださいね。
私は、その前段階までの勉強法、つまり、独学でも行きつくことができるレベルを書きます。
まず、仕訳を徹底的にマスターしてください。
その際、試用販売をベースにして、対照勘定法、一括法およびその都度法の3パターンを、簿記一巡(特に、期中か決算か)を意識しながら、丁寧に丁寧に、これでもかというほど丁寧に、白紙に書きながら覚えてください。
特殊商品売買が苦手な人は、まず、そもそも仕訳がおぼつかないケースが多いです。
ここをおろそかにして、ボックスとか、何とかのワザに走ると、暗記となってしまい、全く応用が利かなくなります。
ボックスをマスターするのは、後回しでいいです。
まずは、仕訳。
仕訳を徹底的にマスターしてください。
ここで、簿記一巡を意識すると言いましたが、具体的には、次の質問に対して、「1秒以内に答えられること」を言います。
問1
試用販売と一般販売のみを行っているとして、第2事業年度を前提に、対照勘定法を採用した場合の、決算整理前残高試算表の試用品勘定の数字の意味は何ですか?
問2
試用販売と一般販売のみを行っているとして、第2事業年度を前提に、一括法を採用した場合の、決算整理前残高試算表の試用品勘定の数字の意味は何ですか?
問3
試用販売と一般販売のみを行っているとして、第2事業年度を前提に、その都度法を採用した場合の、決算整理前残高試算表の試用品勘定の数字の意味は何ですか?
いかがですか?
「う~ん」と考えては駄目ですよ。
「う~ん」と考えているようでは、簿記一巡を意識した勉強をしているとはいえません。
また、暗記でも駄目ですよ。
初年度の場合と第2事業年度の数字の意味は異なりますから。
正解は、返品や返送途上がなかったことを前提とするならば、問1は期首試用品原価、問2は期首試用品原価+当期試送高(原価)、問3は期末試用品原価ですね。
これが基本中の基本であって、これに返品や返送途上が加わるとさらに複雑になり、また、他の特殊商品売買(未着品販売、委託販売および割賦販売等)がミックスされると、決算整理前残高試算表の仕入勘定の意味なんか、もうチンプンカンプンになるのではないでしょうか?
しかし、一つ一つは、仕訳の累積なわけですから、ミックスされても分かるはずです。
とはいえ、多くの受験生は、特殊商品売買の決算整理前残高試算表の仕入勘定の意味が分からない。
決算整理前残高試算表の仕入勘定の意味がわからなければ、絶対に原価率算定はできません。
運よく出来たとしても、それは一度解いたパターンと全く同じパターンの場合であって、ひねられるとトタンにできなくなります。
昔の私が、まさにそうでしたから、よく分かります。
昔の私は、単に決算整理前残高試算表の数字の意味を、意味わからず暗記し、いつも原価率は出ませんでした。
たまに合っていましたが、それは「マグレ」だったので、しっかりと流れを理解したうえで、つまり、地に足が付いた状態で原価率が出たことはありませんでした。
それを打開したのが、「簿記一巡を重視した学習法」を取り入れたことです。
とにかく、仕訳を白紙に書く。
何度も何度も書く。
そのうえで、「対照勘定法では、………(勘定科目を追いながら熟考中)!期中に、仕入勘定が全く動いていないぞ!ん?一括法では、試送時に仕入勘定が動くな。でも、その都度法では、試送時の他、買い取りの意思表示のときも仕入勘定が動くぞ!ということは…、決算整理前残高試算表の仕入勘定の意味は…」といった感じで、一つ一つ丁寧に、比較検討しながら学習する必要があるわけです。
一部の天才肌なら、一々、こういったことを説明しなくてもできるでしょうが、私を含めた凡人には無理です。
凡人は、どうしても、安易な暗記に走ります。
なぜなら、暗記は頭をあまり使わなくていい以上、楽だからです。
しかし、頭に負荷をかけなければ、真の意味で出来るようにはなりません。
頭を使うことに対して、怠惰になると、受験が長期化します。
私自身がそうだったので、自信を持って保証します(笑)。
独学では、誰も指摘してくれないので、どうしても暗記になりがちです。
しかし、日商簿記1級の独学は、相当しんどいです。
日商簿記2級まで独学で通ってしまった方も、日商簿記1級では、一部の天才肌を除き、簿記一巡を意識していないならば、相当受験は長引くと思います。
なにせ、合格率10%前後の試験ですからね、日商簿記1級は。
そう簡単に受かるわけがありません。
日商簿記2級までの独学と同様に考えているならば、即刻、その考え方を改める必要があるでしょう。
もちろん、弊塾では、4月3日の日商簿記1級生講座から、徹底的に仕訳を抑え、決算整理前残高試算表の数字の意味を完璧にマスターしてから、どんな問題でも解けるスペシャル解法と原価率算定がスムースに出せるノウハウを講義します。
私は、日商簿記1級に4回落ちてますが、これらのノウハウは、私が仮に日商簿記1級初受験まで遡ることができるならば取るであろうノウハウです。
私は、何度も何度も落ちてるからこそ、独学等で詰まっている人がどこで詰まっているか、手に取るように分かります。
なぜなら、私自身も、あなたと同じ所に詰まったからです。
と同時に、どう打開すれば、あなたができるようになるのかも知っています。
なぜなら、私自身が日商簿記1級に合格しているからです。
つまり、私は、出来る人も、そうでない人も、両方に教えられますし、出来ない人の気持ちもハッキリと分かります。
ある塾生にこんなことを言われました。
「後藤先生は、私の考えていることが分かるのですか?何で、そんなに私の考えていることをズバズバ当てるのですか?」
そりゃ、わかります。
だって、私もそこで詰まりましたから。
そして、詰まっている時の苦しさも体験しましたから、その気持ちも分かります。
私は言いました。
「気持ちというのは、言葉で理解するのはありません。ハートで理解するんです。つまり、ハートはハートで理解し、いや、正確に言うと、理解するのではなく、感じるんです」
そう、人の気持ちというのは、感じてあげることが大切です。
そのためには、その人の立場にたって、その苦しんでいる人がどのような気持ちになっているのかを、感じ取ってあげるのです。
これは、落ちたことのない人には、想像は出来ても、真の意味で感じ取ることができません。
なぜなら、落ちたことがないんですから。
負けたことがいつか財産になる(BY スラムダンク山王工業)。
まさに、私は何回も落ちたことが、今、簿記講師という職業で、財産になっています。
誰よりも落ちたことのある私は、誰よりも落ちた人の気持ちがわかります。
話がそれましたが、まずは仕訳です。
その際に、簿記一巡を意識すること。
そのうえで、ボックスや原価率算定をマスターしましょう。
それが、特殊商品売買を得意にするコツです。
ふぁいと!