リリー・フランキー
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~

わーん!
リリーさんの本を読んで、こんなに泣かされてしまうとは。
今までコラムは数冊読んでいたし、TVのバラエティ番組に出ている「いつも飄々としたリリーさん」は見ていたけど、そんなリリーさんの基盤はココにあったのか!という自伝小説。 リリーさん、小倉生まれの筑豊育ちだったのかー。そして世代的にも近いので当時の流行りモンとかにも「そうそう!」って感じで共感出来るのでした。
自分も北九州に住んでいて、数年前に両親を相次いで病気で亡くして、ええトシこいてケッコンもせず、多分あの世で親も心配しているであろう....という立場なので。北九州弁、筑豊弁が炸裂の、この小説は、胸に染みました。「もっと親孝行しておけばよかった」というのに大泣き。
「親が亡くなる」というのは、まぁ誰もが通る道なんだけど、リリーさんのオカンの素敵さには参りました。料理好きで、料理を皆にふるまうのが好きで、ぶっとい感じ、明るい感じ、いつも他人に気を遣ってしまう感じ....そんなこんなの描写にウチの母を思いだして涙、涙。 (このDNAはどれも私には全然引き継がれておりません。とほほ。)
でも全編しんみりしているわけでもなく、そこはリリーさんらしくユーモアもあふれていて、かなりデタラメな若者や大人も出てきます。私は九州を出て暮らしたことがないからワカンナイけど(東京、たまに遊びにいったことくらいはありますが)田舎と比較した東京の描写は鋭い。
とにかく、高齢の親を持つ人が読んだら、きっと涙します。そして親御さんがまだ元気な人は、きっと、いきなり親孝行したくなると思う。親孝行してあげてください。あー私ももっと親孝行すればよかった....(と、また涙。)


あと、タイプは全然違うけど、日本映画の感想(っていうか、リリーさんの個人的見解が炸裂で、痛快ですが)『日本のみなさん、さようなら』という本も、おススメ! 『ぴあ』に連載されたものを一冊にまとめた本なのですが、明らかに映画観ないで書いたでしょ?っていう文章もあり(苦笑)、でも日本で吉永小百合にこんな厳しいコメント書けるのはリリーさんだけだと思う!(私も結構これには同感したよ)。私は図書館で単行本を借りて読んだけど、こないだ文庫になってるのを本屋で見かけたので今度買うつもりー。



リリー・フランキー
日本のみなさんさようなら