東北の女子高校生たちが、ひょんなことから「ジャズやるべ!」っていきなりスウィング・ジャズバンドを結成するお話。あの『ウォーター・ボーイズ』の矢口史靖監督、最新作です。前作で俳優さん達にシンクロ猛特訓させたように、今回も俳優さん達に楽器の演奏を猛特訓させたそうで。最初はぜーんぜんヤル気なしの彼女たちが、みるみる間に音楽の魅力に引き込まれていく様子が楽しいです。フツーに道を歩いていても、突然「ねっ、これもスウィングのリズム?」って言っちゃうあたりは、もう見ているこちらも楽しくなってニコニコです。
 生徒たちもそれぞれキャラクターが強烈で、恋多き女の子もいれば、パンクバンドやってた、えらいロックなファッションの子もいたり(でも如何にも”田舎のロック少女”という感じで可愛い!)ヒロインの女の子は、ひたすら”まわりじゅうを巻き込んで我が道を行く”ある意味かなりハタ迷惑な子であったり、それでも皆、スゥイング・ジャズを好きな気持ちは同じ!ってところでチームワークが出来てくるあたりは、ベタな展開だけどグッときます。そして、途中絡んでくる数学教師役の竹中直人がウマイっ! 今回『ウォーター・ボーイズ』のときのようなスーパーマンではなくて、かなりダメダメおじさん。ジャズおたくで、理論はすごいんだけど実技まったくダメという「全国各地にこういう人たくさんいるだろうな~」的な、典型的ジャズおたくぶりに爆笑です。音楽教室の先生役で谷啓さんが出ていて「そういうことは基本を押さえてからやりましょうよ~(苦笑)」って言うところが爆笑です。
 そんなこんなで迎える最後の晴れ舞台は、全国大会!なーんてデカイ舞台ではないところも、また矢口監督らしい展開でニッコリ。最後の演奏シーンはもちろん皆さん吹き替えなしで演奏しているそうです。めちゃくちゃウマイ!ってほどではないけど(笑)、でも、じーんと来ます。
 私が中学生くらいでこの映画観たら、絶対に翌日、吹奏楽部に入部希望していたと思う! そんな映画。サントラ盤もお薦めでっせ!

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