なんとなくネットニュースを読み漁っていたら、去年の12月にキム・ピークが亡くなっていたことを今更ながらに知った。

「キム・ピークって誰だよ」って人は多分とても多いと思うし、私も彼のことをそんなに知っているわけじゃない。
知っていることと言えば、彼は映画「レインマン」でダスティン・ホフマンが演じた主人公のモデルになった人物だということと、彼が賢者だということくらいだ。

彼はいわゆる自閉症(それもかなり重度の奴)で、実父に介助してもらわないと、日常生活さえ行えない。
しかし、同時に彼は世界一のサヴァン(賢者)であり、今までに読んだ本全てを記憶していたという。
また、日付を言えば、即座にその日が何曜日であるか、何年後は何曜日であるかなどを答えることが出来たという。

私が彼を見たのは、TV番組でほんの数回。
けれど彼が印象に残ったのは、彼が紛れも無い賢者だったからだ。
「すげー」と、ただ単純に思ったのと同時に、体が震えた。
人間の無限の可能性を、彼は示してくれたように思えた。

「そういえば最近、彼を見ないな」
と思ったのは、木島日記を読んでいたときで(この漫画にもサヴァンが出てくるのだ)
そんなことを考えていたら、彼の死を知った。
彼の死を報道したのは、NYタイムスだけだったらしく、日本語での記事が見当たらなかったので、頑張って訳した。
まぁ、英語は全然出来ないのだけれど。

賢者は天国に行って、今度は何を考えるのだろう。
空から見た世界は、賢者の目に、どう映るのだろう。