に指定されている福島県川俣町山木屋地区で、アブラムシ
の一種「ワタムシ」の生育に異常が出ている事が、北大
農学研究院の秋元信一教授(昆虫学)らの研究チームの
調査で分かった。採取した個体の約1割に触覚の一部が
欠損するなどの奇形が見られた。通常の10倍以上の比率
で、同教授は原発事故による被曝の影響が疑われると
みて、さらに詳しい調査を進める。
秋元教授らは6月上旬、第1原発から約32キロ離れた
同地区のハルニレの木から「ヨスジワタムシ」約200匹
を採取。個体や脱皮後の抜け殻を調べたところ、約1割に
足が壊死したり、触覚が欠損したりするなどの奇形が見られた。
腹部が2つある個体もあった。奇形の発生率は通常1%未満で
秋元教授は、「遺伝子レベルで突然変異を引き起こすような
外的要因があったのは間違いない」と指摘。
生物が放射線を浴びると、DNAが傷つき、奇形などの原因となるため
今回の原発事故が影響している可能性があるという。
今後、原因を特定するため、DNAを分析するほか、原発事故の
影響がほとんどないとみられる札幌市や、放射線量が高い
「ホットスポット」が点在する千葉県柏市のヨスジワタムシ
と奇形の発生率などを比較する。
計画的避難区域では、立ち入りは自由だが、以上は制限されている。
文部科学省によると、山木屋地区の原発事故後1年間の積算放射線量
は9.2~42.5ミリシーベルトで、国際放射線防護委員会(ICRP)が
平常時における一般人の線量限度としている年間1ミリシーベルトを
大きく上回っている。原発事故の生物への影響をめぐっては、琉球大
の研究グループがチョウの一種に遺伝的な異常が出たとする調査
結果を発表している。
秋元教授は「奇形以外にも、異常行動や寿命が短くなるなどの
影響が出ている可能性もある」と話している」
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ソース
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