満 足 度:★★★★★★★★★★
(★×10=満点)
第23回 TIWFF にて鑑賞
WORLD CINEMA作品
監 督:サヴェリオ・コスタンツォ
キャスト:アルバ・ロルヴァケル
ルカ・マリネッリ
イザベラ・ロッセリーニ 、他
■内容■
過去に精神的なトラウマを抱え、
自分の殻に閉じこもるアリーチェとマッティア。
少年と少女の長年に渡る関係を描いた物語。
(TIFF オフィシャルサイトより)
■感想■
原作があるようで、日本語訳も出ているそうな。
アリーチェとマッティアの人生が
幼少期、思春期、そして現在と
3つの時期を行き来しながら物語が進んでいきます。
彼らは、とてもストイック。
特に思春期には
同級生とは明らかに別の世界で生きているようでした。
その背景には、
父を許せない、自分を責めるといった、
其々の過去があるんです。
その見せ方、3つの時期の配分の構成が絶妙で
スクリーンから目が離せませんでした。
アリーチェとマッティア、
私は、ちょっと特殊な親密さを感じました。
それでいて、
絶対に取り除けない壁のようなものも感じる。
恋なのか、愛なのか、共感なのか、同情なのか。。。
どうにも説明ができない関係なんですね。
でも、観客を消化不良にさせないように
抜群のタイミングで消化を促す流れになっているのが
本作の凄いところです。
しかも、この二人の世界にドップリと浸かってしまう
不思議な魅力があるんです。
友人の結婚式で語られた双子素数のスピーチ。
二人の関係がハッキリと見えた時には
まだ物語の途中なのにピッタリの表現に深い感銘を受け
思わず涙がこぼれてしまいました。
他にも、一つ一つのシーンが忘れられません。
強く余韻の残る作品です。
日本での公開は未定ですが
配給が決まるとイイなぁ。。。
■Q&A■
サヴェリオ・コスタンツォ監督と
アリーチェ役の
アルバ・ロルヴァケル(A)、
お二人の登壇です。
Q 構成など、原作と変えているところは?
監督 最後には二人一緒にいるところを表現したかった。。
物語を忠実に表現するには、
(映画と小説は違うので)何かを変えなければなりません。
時間軸に沿って進めなかったのは、
原作を読んでいる人にも面白く観てほしかったからです。
Q 「ジョヴァンナのパパ」に続き、
問題を抱えている人物の役作りはどのように?
A 2つの役は全く別のものです。
今回は、肉体的変化で精神的なものを表しました。
司会 監督からのアドバイスは?
A 全てにおいて、(指示に)従いましたよ。
監督 いやー、一緒に作り上げたんですよ~ 笑。
Q 選曲について、何か意図が?
監督 学校時代はゴブリン、パーティーではテクノ、幼年期はホラーと、
映画の中で時代を表すために、これらの音楽が必要でした。
Q なぜ、この作品を映画に?
監督 俳優の肉体に対して、
仕事ができるというところに興味を持ちました。
勿論、ベストセラーということもあります。
また、私には子供の頃に妹を置き去りにした記憶があり
自分になぞらえている部分もあります。