満 足 度:★★★★★★★★
(★×10=満点)
監 督:アンドリュー・スタントン
吹き替え:ベン・バート
エリッサ・ナイト
ジェフ・ガーリン、他
TIFF 特別招待作品
■内容■
西暦2700年の地球。
宇宙に逃れた人間が残したゴミを700年もの間
片付け続ける“地球型ゴミ処理型ロボット”WALL・E(ウォーリー)。
ある日、地球にイヴという名のピカピカのロボットが現れた。
ずっと孤独だったウォーリーはイヴに恋をするが、
イヴが宇宙船にさらわれてしまい…。
(シネマトゥデイ より)
■感想■
急遽、TIFFのクロージングを鑑賞。
表彰式の後、休憩をはさんで本作の上映です。
ディズニー&ピクサー作品なので子供も多かったな。
予告編を観て、
何となく物語のさわりは
知っていたんだけど
本編を観て初めて、
本作がクロージング作品に
選ばれた理由がわかりました。
TIFFの今年のテーマは「エコロジー」。
ウォーリーで描かれている物語が
「地球は人間をつくった。人間は映画をつくった。」
というキャッチコピーと、
「Action! for Earth」
このスローガンにピッタリ合っていたんですね~。
鑑賞前に気付かないなんて私だけかもしれませんが、
なるほどね~と思いました。
愛とエコをいっぺん描くなんて、さすがディズニーです
淡々とゴミを圧縮するウォーリーの先に、
片付けるのにどのくらいかかるのか
予想も付かないほどのゴミが描かれています。
これはCGですが、現実にも地平線までゴミだらけという光景が
あるのだと思うとゾッとする映像でした。。。
地球の最後は本当にこういう状態なのかもしれません。
映画が始まってしばらくの間、
セリフらしきものが全く無かったのには驚きました。
ロボットの電子音や微妙なしぐさやパーツの動きで
感情表現をしていましたが、
お気に入りのミュージカル映画のビデオのように
手を繋ぎたいと思うウォーリーの切ない気持ちが
しっかり伝わってくることには感動です。
人間の退化(進化?)した姿には、ア然。。。
自分の足で立って、ゼロからがんばれ~っ!
と心の中で叱咤激励でしたが、
今もこういう人っていそうだわ。。。なんて思っちゃった。
それと、ちょっと面白いなと思ったのが、
700年後の地球でも、
男女の関係はそれほど変わっていないということ 笑。
ゴミ処理ロボのウォーリーは、凄い機能のあるロボットだけど、
どこか野暮ったいところがあるの。
一方のイヴはスタイリッシュ。
滑らかな流線で艶ピカ、洗練された都会の女なわけですよ。
(イヴはアップルのi podをイメージして作られたらしいです。)
それに、猟奇的な女でもあります~
だもんで、二人の力関係は最初から決まっていて、
明らかにウォーリーの片思いなんですが、
何があっても彼女を救う精神で立ち向かう姿に
イヴにも人情が・・・
この辺り、21世紀の恋愛事情と変わっていません。
ここは私のツボでした。
ウォーリーの一途さとイヴの変化は
まさに、 愛は地球を救う そのもの。
ラスト近くでイヴがウォーリーに話しかけるシーンでは
私、胸がいっぱいになってしまいました。
まさか、涙を流す映画だとは思っていなかったので
自分でも意外だったけどね。
子供向けかと思っていたんですが、
地球上にたった一人(一体)になってしまったウォーリーの孤独感は
子供よりも大人の心にチクチクくるのでは。。。と思う映画でした。