08.08.18死にぞこないの青

満 足 度:★★★★★★★
   (★×10=満点)
 
監  督:安達正軌
キャスト:須賀健太
      谷村美月
      城田優
      入山法子 、他




■内容■

 気弱な小学6年生・マサオ(須賀健太)は
生き物係を取り決めたことが原因で、
新任教師の羽田(城田優)に嫌われてしまう。
それ以来、羽田はマサオを攻撃し続け、
クラスメイトたちもマサオをいじめるように。

 そんな中、マサオの前に傷だらけで、
片目片耳がつぶれた全身真っ青の
不気味な少女・アオ(谷村美月)が現れる。
                       (シネマトゥデイ より)


■感想■

 シネトレさんのご招待で完成披露試写へ行ってきました。
会場のロビーには“青”がいました。
(谷村美月さんではありません)
携帯を向けると、サービスしてこっちを向いてくれました。
ありがとうです。。。
08.08.18青

舞台挨拶に現れたのは
安達監督 谷村美月
城田優 入山法子
の4人。
当初登壇予定だった
主演の須賀くん
都合により欠席したため、
スクリーンを通しての
メッセージでした。







 最初に監督が登場したとき、キム兄にソックリでビックリした~笑。
かなり無口。。。人前が苦手なようで
「今日はありがとうございます」と一言。。。笑
隣にいた城田優の「そ、それだけっすか???」との反応に
会場から笑いが起きました。

安達監督
 「去年の夏の撮影で、スタッフ、撮影した町の皆様には
  協力して貰ったことを感謝しています。
  言葉ではなかなか伝えられないものを描いているので
  説明できないからこそ観てください」

谷村美月
 「特殊メイクがとにかく大変で、一人だけ入り時間が早かったり
  汗をかいてメイクが剥がれてきたりと、撮影中は大変でした。
  完成したものを観た時、自分で“青”が登場すると怖かったし、
  効果音なども加わって特に前半部分は皆さんにも
  怖がってもらえると思います」

城田優
 「教師役は初めてだったけど、
  なかなか言うことを聞いてくれない子供たちに囲まれた撮影の中で
  教師ってホントに大変な仕事なんだと実感した。
  なので現場で“コラー静かにしろっ”とか言ってるうちに
  なんとなく“教師”に入り込めました。
  一見、ホラー映画だけど、実は人間の怖さを描いています。
  その辺りをじっくり観てほしい。」

入山法子
 「自分にも兄がいるので、妹の立場を演じるのに違和感はなかった。
  この映画を通じて、自分自身を見つめなおすキッカケになったと思う。」

と、それぞれ撮影中の様子、役柄への取り組みなどをコメントしました。
そして須賀くんからは
 「表情で表現することを求められて、少し大変でした。
  イジメについて考えて欲しい映画です。
  今、誰かをいじめている人は、ちょっとした言葉で
  相手を傷つけたりすることを考えて欲しい。」
とのメッセージ。
声変わり時期なのか、声がハスキーでした。

 フォトセッションでは、やはり監督が大テレ。
「もう早く終わらせて。。。」という
吹き出しが見えてきそうなくらい
表舞台苦手オーラが出ていました 笑。

 
 映画の原作は乙一さん。。。
なかなか考えさせられる中身でした。

 須賀くんは、天才子役と言われているだけありますね~。
凄すぎて、どんな男優になっていくのか想像つかないわ。
思わぬ境遇に陥った小学生の苦悩混乱
そして小学生という役柄上、子供らし表情
見事に演じていたと思います。

 最近モンスターペアレンツという言葉が生まれたけど、
実際は、教師の中にもモンスターがいるんだよね~。
その影響を受けて犠牲になっているのは子供たちなんだけど、
私は知人から似たような体験を聞いたことがあるので
絶対的信頼のある教師の動向に
あっという間に同調していく子供たちの姿が怖かったです。
それが道理にあおうが、あうまいが、子供たちにとっては全くの別問題。
学校(学級)が、密室も同然に見えてきて、当事者以外気付かない、
ホント恐ろしいことです。

 私は、もしイジメに耐えられなくなったら逃げていいと思っています。
とにかく死を選ぶことだけは止めて欲しいと思うの。
ただ、大人になって、会社で、近所でと、
あらゆるところにイジメは潜んでいて
好きなことだけをやって生きていくわけにはいかないと思うから、
マサオのように自分に降りかかったことに立ち向かう姿勢
大切だと思いました。
そういうことを乗りえて、人の痛みがわかり
一つ成長したような展開になっているのも良かったと思います。

08.08.18青2 城田さんは、
顔つきからして
羽田役にピッタリでしたね~。
爽やかな笑顔に隠された
冷酷さが上手いの。

(C) 2008『死にぞこないの青』製作委員会

マサオをいけにえにするトラウマが、いまひとつピンとこなかったけど、
今は他人には理解できない理由で事件を起こす大人が増えましたからね。。。
本人にしかわかりえない心の闇ってやつなのかな。
羽田もマサオのように
子供の頃に自分に立ちはだかった壁を乗り越えようと思う気持ちがあれば
たとえ乗り越えられなかったとしても
こんな大人にならなかったと思うんだよね。
08.08.18青1 “青”を観るとお化けを連想させるんだけど
そうではなくて、
人間の心に棲んでいるものを描いた
ホラー映画です。
実際に“青”は怖くありませんでした 笑。
なので、いつもはホラー映画が苦手な人にも
OKだと思います。
                 (C) 2008『死にぞこないの青』製作委員会


2008年8月30日(土)より、シアターN渋谷ほか、全国順次ロードショー
配給:ザナドゥー