08.07.03スカイ・クロラ

満 足 度:★★★★★★★★
   (★×10=満点)
 
監  督:押井守
声の出演:菊地凛子
       加瀬亮
       栗山千明
       谷原章介、他


■内容■

 永遠に生きることを宿命づけられた
“キルドレ”と呼ばれる子どもたちが暮らす、もう一つの現代で、
彼らは“ショーとしての戦争”で戦闘機に乗って戦っていた。

 戦うことで生を実感する日々を送る中、
元エースパイロットの女性指揮官・草薙水素(菊地凛子)と
基地に赴任してきたエースパイロット・函南優一(加瀬亮)が出会う。
                         (シネマトゥデイ より)


■感想■

 ジャパンプレミアへ行ってきました。
オープニングでは、1/2スケールの戦闘機・散香飛行機とともに、
押井監督がステージの下から登場。
その後、監督が声優を務めたメンバーをステージ上から紹介し、
菊池凛子、加瀬亮、谷原章介、栗山千明が客席を通って登壇しました。

 菊池凛子
 「収録は大変だったけど、押井監督と一緒にお仕事をしたかった。
  完成したことを嬉しく思います。」

 加瀬亮
 「思うように出来ず、収録予定より10時間オーバーしてしまった。
  夜中まで時間を取ってもらい、つたない所ばかりでしたが、
  楽しいスタッフに支えられ、参加できて良かったと思っています。
  今の時代を生きる人、みんなの映画になっていると思います。」

 谷原章介
 「僕はお気楽な役をやらせていただきました 笑。
  最初に役をイメージして挑むのですが、
  監督は進化、更に深化したビジョンを持っているので
  最終的な行き先はわかっているけれども、そこへいくまでが大変。」

 栗山千明
 「押井監督、アニメが大好きなので、参加できて良い経験になった。
  映像に声を入れ、本当に喋っているかのように見せるのは
  職人のような技が必要だったりするので、普段の演技とは違う。」

 司会から散香と登場した感想を聞かれ、
 「めちゃめちゃ恥ずかしかったです。。。。汗」
と照れていた押井監督は、4人に対して
 「菊池さんの草薙水素はクールで謎のある女。
  ありがちな設定になりるところを、
  時折みせる幼さが感情のブレとなって出ていたので、
  それがとても良かった。

  加瀬君は、ひたすら真面目な男。
  初めてスタジオの仮眠室に泊まり、風邪をひきました笑。
  役に対する執着に関心しました。

  谷原さんについては、
  キャラクターの奥行きを表現してもらえたらと思っていて、
  僕から指示することは特に無かったです。

  栗山さんに関しては、三ツ矢碧は彼女しかいないと思っていて、
  ほとんどアテ書きで書いていました。
  後半近くから登場するにもかかわらず、とても印象深い役です。
  菊池さんとは一度お仕事したことがありますが、
  今度、栗山さんとも実写でお仕事したい。」

  いつも、声優さんとお仕事をしてきたのですが、
  今回は特殊な設定とキャラクターなので、
  誰が演じるのかということをを考え
  キャスティングさせていただきました。
  自分のキャスティングに自信を持つことができたのは4人のおかげです。
  どうもありがとう!」

と、4人にお礼をいうかたちで挨拶をまとめられました。


 私はアニメファンでも押井ファンでもないのですが、
完全な平和のしわ寄せ。。。的な世界がなんとも哀しく
所々難しいところもあるんだけど、
観終わった後の余韻がなんともいえませんでした得意げ

 原作がシリーズ化されていてとても長いものだと後から知ったのですが、
そのせいか、もしチラシや解説を読んでいなかったら
意味不明だったかもと思う箇所がいくつかありました。
私は予告編で語られる戦況背景を観たので、なんとかついていけた。。。かな。

 1.キルドレは思春期の姿のまま年をとらない人たち。
 2.完全な平和が実現した世界で、大人たちは平和を実感するために、
   「ショーとしての戦争」をすることを考えた。

この二つを知らずに観てしまうと、
キルドレ誕生の背景や、ショーとしての戦争が完全には描かれていないので
わかりにくいと思います。
ま、何らかの情報から「面白そう」と思うから映画を観に行くわけであって、
何も知らずにいきなり観に行くってことは少ないのかもしれないけど。

 ショーとしての戦争なので、
他の戦争映画で感じるような国民や兵士達の危機感や恐怖とは
別のことが描かれてます。

 キルドレ、特に水素や優一には
絶望しながら生きているという空気を感じました。
そして、声や姿は子供なんだけど
心や頭は大人という矛盾している雰囲気を、
菊池さん、加瀬さんはとても上手に表現していたと思います。
なので、キルドレ達からは、全く若さを感じません!!
監督が声優さんでなく、俳優さんをキャスティングしたのは
こういうことだったんでしょうね。

 大人以上にタバコを吸い、お酒を飲み、コールガールと遊ぶけど、
年をとることがないから、生きている実感がない、
そんな哀しい運命を変えることができないキルドレ達の敵は、
相手の戦闘機ではなく大人たちなんだということなのだと思います。

 それと、映像がとてもきれいで、ちょっと不思議でした。
私、全く知識がないのですが、
CGとアニメの両方使われているのでしょうか。。。
リアルな絵と、アニメのミックスになってました。
雲や、上空から地上を見渡す映像は本当に美しく、
戦闘シーンはとても迫力があったよ。
精密に描かれていた戦闘機も凄いなぁと思いました。

 絢香の歌うエンディング「今夜も星に抱かれて・・・」
声色といい、曲調といい、この映画にピッタリです!
エンドロール後にも、その後の映像があるので
最後まで席を立ってはなりませぬ~笑。