06.11.13暗いところで待ち合わせ

満 足 度:★★★★★★★ 
      (★×10=満点) 

監  督:天願大介
キャスト:田中麗奈
      チェン・ボーリン
      井川遥
      宮地真緒
      佐野史郎
      岡一喜 、他






■ストーリー■

 子供の頃の事故が原因で視力を失ってしまったミチル(田中麗奈)は、
父(岸部一徳)と2人で暮らしていた。
日々の買い物は父の担当、
家の中の掃除や洗濯、料理はミチルの担当だった。
しかし、父がある日突然病死してしまう。
ミチルの今後を心配する親族達であったが、
父と暮らした今の家で、一人暮らしをする事をミチルは決心する。

 ある朝、家のすぐ前にある駅から、
いつもとは違った電車の急ブレーキが聞こえ、
何かがあったんだ。。。とミチルは思った。
それからしばらくして、家のチャイムが鳴り、
玄関に出て行ったが何の反応も無い。
しかし、目の見えないミチルの前に男が立っていたのだ。
男の名前は大石アキヒロ(チェン・ボーリン)。
アキヒロは、毎朝通勤する駅のホームからミチルの姿を見て、
目が見えない事を知っていた。
そして、ミチルがドアを開けた時に、家の中へ入り込んだのである。

 何も知らないミチルはドアを閉め、茶の間に戻りTVをつけると、
TVでは、今朝、駅で起きた事件が報じられていた。
ホームから転落死したのは印刷会社に勤める松永(佐藤浩市)、
重要参考人は、松永の同僚・大石アキヒロだった・・・・。

■感想■

 今日の試写は、思わぬサプライズがありました。
なんと、主演の田中麗奈女の子が、突如舞台挨拶に来たのビックリマーク
マスコミがいなかったからホントに突然だったのかも。
やっぱりかわいいーーー音譜、そして細かったショック!
盲目の人がどうのというお話ではなくて、
全ての人が一度は思うであろう
「人との付き合い方」「距離の置き方」「自分の生き方」
を、描いた作品だから、
どこかの部分で共感できると思う、
その辺りを観て欲しいって言ってました。

 で、最近ハマってるらしいデジカメカメラを取り出し、
「みんなVチョキサインしてね~♪」と、会場のお客さんをバックに、
自分でカメラを持って、写真を数枚撮ってました。
私もとりあえず地味目にVチョキサインしといた。。。。汗

 原作は、切なさの達人と言われている乙一。
私は、乙一作品は読んだことないんだけどね。。。

 主人公ミチルは、どことなく自分の人生を諦めちゃってるところがあるのね。
消極的を超えて、何も望まなくなってる感じガーン
でね、アキヒロにも似たようなところがあるの。
世の中に馴染めないって決め付けた事で、
より一層自分を追い詰めてる事に気付いてないのね。
自分が傷つくくらいなら、また、誰かに迷惑をかけるくらいなら、
1人でいたほうがマシって思ってるのに、
本当は1人が好きなわけではないから、
そこに苦悩むっが生じるんだよね。

そんな2人が同じ家で何日も過ごす事になるんだけど、
勿論、ミチルはアキヒロの姿が見えてないし、
アキヒロもミチルに自分の存在を気付かれてはいけない立場だから、
2人のセリフはとても少ないの。
その静けさから読み取れる感情が沢山伝わってくるのね。
この不思議さは、何だろうね。
2人共、今まで傷ついた事が沢山ありすぎて、人より敏感なのかな。
欲を言えば、もうちょい孤独感や恐怖感をもっとリアルに描いて。。。
って思ったんだけど、
田中麗奈が上映前に少し解説してくれたから
細かい事は言いますまい。。。得意げ

でね、殺人事件をきっかけに出会った二人は、
自分の居場所を探してたつもりが、、
本当は自分を受け入れてくれる人を探してた事に
気付くの。
でもそれは、死んじゃった松永や、
近所に住むハルミ、幼い頃に別れたミチルの母も同じで、
どう生きてったらいいのかわからないのは、2人だけじゃないのね。
その辺が、優しい雰囲気の中、力強く描かれてるなぁと思いました。

 結局ね、
たった1人で
  生きていける人間なんて
    いるわけない

          ってことなの。

どんな人間でも、どこかで誰かの世話にならなきゃならない、
だから、世間や人をシャットアウトして生きる事はできないんだよって
メッセージのようなものがありました。

やっぱ、引きこもりは良くないってことなのね。。。。ショック!

 そうそう、殺人事件の結末は、驚きです!!
観てのお楽しみ~音譜