9月12日に扁平上皮癌を患っていたかじたが永眠しました。15歳と約6ヶ月。天命ではありますが、今回、色々と同じ病気で悩む方のブログを拝見すると、癌が後退したと猫ちゃんもいるようです。
レアケースかもしれませんが、決して諦めるだけが道じゃないと、この病名で検索してここに来られた方に少しでも治療のヒントになるかどうか分かりませんが、記録を残します。
始まりは4月、私自身の歯の不調からでした。それまでとても忙しかったため、疲れもあったのか、顎関節症ということもあるようで、痛み止めを飲む日々。
治療の結果、だいぶラクになった頃、フト見るとかじたの左頬が腫れていることに気付きました。私と同じ場所でしたので、身代わりになったのではないかという思いが頭をよぎりました。
その1週間くらい前に少し元気がないかなと思い(具体的に言えば、いつも出ないフケがあり、おしっこに何度も行っていた)、気候の変化から免疫力が落ちたのかなと獣医さんに行き、健康診断をしてもらいましたが、その時は腫れは認められず、抗生物質を打ち、普段の食生活など注意すれば、これからも元気に生きるだろうと思っていたのでした。
ところが、数日の間に顔が腫れ、歯も揺ら揺らです。進行の早さが窺えます。この時点ではまだ、歯が折れただけで腫れもその影響かもしれないということでしたが、病理検査をしましょうということでやってみたら、扁平上皮癌と判明したのです。
GWをはさんでいたので、結果が出るまでけっこうな時間を要し、病名が告げられたのは5月半ばでしたから、もっと早く癌対処を始めていれば違っていたかもとも思いましたが、治療の開始時期はあまり気にしないほうがいいようです。
むしろ、病気が分かってから、普段の食事などにいかに無頓着だったかを思い知りました。何事もそうですが、平時の心がけが大事なのです。
口の中なので腫瘍を除去するのは不可能。放射線治療は毎回、大学病院に行き1回10万で計10回は必要とのことで、自然療法を選び週に1~2回のオゾン療法に加えて、様々なサプリメント(アガリクス、プロポリス、Dフラクション、ペットチニック、ラクトフェリン)を与えました。宮城県の石巻で祈祷もしてもらいました。
しかし、全ての施しが癌細胞に吸収されてしまい、進行してしまうようです。獣医さんは、とにかくご飯をたくさん食栄養を摂ってと、高カロリーの缶詰(a/d)に切り替えましたが、段々、食も細くなる。口が痛かったのでしょう。
かじたは自己主張が強く、食べ物についても、お刺身もお肉も全く食べない(飼い主の真似?)かつお節しか喜んで食べなかったことも問題でした。野菜を入れた手作りスープもダメ。
これまでは、ドライフード(これも健康療養食でしたが)オンリーで、ここに栄養が詰まっているんだからいいんだと思い込んでいました。しかし、時々吐いたりしていた原因は、水分不足だったらしいと知り、スープご飯に切り替えました。
ベストなのは、野菜や肉などを入れた手作りスープのようですが、なかなか難しいので、市販のスープご飯+缶詰+かつお節+サプリメントにしたら、2匹とも胃腸の調子が良さそうでしたので、手作りが無理でも水分を多く含んだ食べ物がいいのではないかと思います。
日中はほとんど寝ているようになりましたが、夜中、私が寝ると30分おきくらいに起こしに来て、置いてある本や書類を激しく破ったりばらまくため、とにかく何を欲しているのか分からないまま、かつお節を出したり、頬を冷やしたり、ブラシをしたり、撫でたり、毎晩その繰り返しでした。寝不足の毎日・・・。
そんな中、血液検査をしたところ、今まであまり良くなかった肝臓や腎臓の数値が正常に!食生活改善が功奏したのだと考えられます。
ところが、その傍らで口腔内だけが侵食されていく・・・皮肉なことでした。
段々と食べられなくなります。そうなると人の見えない所に隠れがちに。「自分で食えなくなったらおしまい」だと、私自身も思っているので、無理なことはしたくなかったのですが、ただ、これが食べられなくなった状態なのか、一時的に食欲がないのかが分からないので、強制給餌をしました。
かじたもまだ少し休めば元気になると自分でも思っていたようで、「かつお節だけ食べてるからいよ!やめてくれ」といったかんじでした。
日に日に体力が落ち、病状が悪化。夜も起こしに来なくなります。その代わり、密かにお風呂場に行き、顔のかさぶたを剥がしていました。夜中に起きて見たら、バスルームが血だらけで悲鳴を上げそうになりました。
以前から吐く時も掃除しやすい洗面所などにわざわざ行く猫だったので、ここなら汚れてもいいだろうと思ったのでしょうか。
食べていないので、ちょっと動くとくたびれて横になってしまう。こうなったら、早くラクになったほうがいいんじゃないかとも思いました。
しかし、獣医さんに行って補液をしておらうと、急に元気を取り戻し、その日はご飯も食べ、ベッドに来て一緒に寝たくらいにまでなりました。口が閉まらずよだれが出てしまうため、脱水ぎみだったのが補液によって回復したのです。
喜んだのもつかの間、私が出張から戻るともう歩けなくなっていました。寝たきりです。時折、立とうとして手足をバタバタさせて頑張っていましたが叶わず。危篤状態だと認識しました。
よく、最期に飼い主から水を飲んで・・・なんて話を聞いていたので、何度か試しましたが、いつものように、「いらねーよ!」と、手でバシッと払われました。かじたらしい態度です。なので、必要以上に構わず、淡々としていました。
3日間この状態が続き、4日目の夕刻に息を引き取りました。
私は仕事先で、看てもらっていた母親からの連絡でしたので看取れませんでしたが、苦しまず静かだったようです。
里親募集でもらいに行った時、「この子たち離れないんで一緒に連れてってもらえませんか」と言われて、1匹のつもりが2匹になった経緯がある仲良し兄弟。
しっぽでも踏もうものなら「大丈夫か!」と飛んでくるような兄かじた。妹あたみの毛づくろいも耳の掃除も全部かじたがしていたので、これからあたみはどうなってしまうのか・・というのが目下の思いです。
また、かじたはわがままなので、天国で上手くやっていかれるのかしらということも、ちょっと心配です。
こんなに看病してもらえて、幸せですねなどとも言われますが、確かに猫社会全体からすれば相対的に幸せでしょうけれど、「家族」「友達」だとしたら当たり前なのではないかと感じてしまいます。
扁平上皮癌が判明した時に、一番、ショックを受けていたのは獣医さんでした。どうなるか分かっていたからでしょう。本当にありがとうございました。
また、たくさんのお見舞いメッセージを頂き、とても励まされました。感謝の気持ちでいっぱいです。かじた・あたみ共々、厚く御礼申し上げます。
帰るとベッドが膨らんでいて、布団をはがすといつもかじたが・・・。
これは顔です。目も鼻も潰れ、所々に穴が開き、そこから膿が出てくるのです。
もみじ山ペットクリニック
こばやし歯科
http://www.kobayashi-shika.com/
アメリカンペットメモリアル
(ペットの個別立会い火葬。悪徳業者の存在が報じられたのを見て始められたそうです。)
http://pet.moo.jp/petganakunattatoki2
御礼にかえて。