復活の地Ⅲ//小川一水 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!

 

復活の地3 復活の地3
 
Amazon

 

 

 「復活の地」

 

 小川一水、著  2004年

 

                  ※

内容(「BOOK」データベースより)

皇権排除を画策するサイテン首相は、スミルらを襲った大規模余震を機に国家権力を掌握、星外進出を見据えた軍備増強を推進していく。いっぽうセイオのもとには、100日後の第二次震災発生という衝撃の情報がもたらされる。復興院総裁という権力を失った彼が、“予知された災害”に対して講じた方策とは?そして、迫りくる国家崩壊の危機に、摂政スミルがくだす最後の決断とは?―未曽有の国家再生ドラマ、全3巻完結。

                  ※

 

 「一度だけ、他のすべてを捨ててあなたのところへ来た。……それでいいか」

━セイオ

 

 そしてスミルは諾と答える。

 

 「私があなたに感謝しています。……それでは足りませんか」

━スミル

 

 その言葉にセイオは感謝する。

 

 想いは同じ。

その想いが消えぬ限り、二人はともにある。

 

 二度にわたる大震災を乗り越え、人々は歩み続ける。

人々を救った立役者である皇女スミルと復興院総帥セイオは、それぞれが立ち向かわなければならないものに目を背けず、それぞれの道を行く。

それは別々の道ではあるが、つながっている。

 

 切なくて熱くて胸が一杯になるラストシーン。

切ない恋が、ただ甘ったるいだけのものじゃないのは、この復興のドラマが重厚だから。

復興などと言う地味なテーマが、こんなにも熱く胸を打つのは、登場人物たちが魅力に溢れているから。

 

 『復活の地Ⅲ』。

完結。

言うべき事はただ一言。

この物語はとてつもなく面白いです!