- アヒルと鴨のコインロッカー (創元推理文庫)/伊坂 幸太郎
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「アヒルと鴨のコインロッカー」
伊坂幸太郎、著。 2003年。
ボブ・ディランの「風に吹かれて」・・・、うう、やはり
これは良い。
思い入れのあるアーティストです。
どれだけ道をたどれば
認められるのだろう
どれだけ海を渡れば
鳩は安らぐのだろう
どれだけ砲火を潜れば
争いが尽きるのだろう
友よ その答えは 風に・・・
風に舞っている・・・
と、まあ意訳してみました。
あのシワガレ声で、感情そのものを叩きつける
ように歌うディラン・・・。 良いなあ~。(シミジミ)
引っ越してきたアパートで出会ったのは、悪魔
めいた印象の長身の青年。 初対面だというのに、
彼はいきなり「一緒に本屋を襲わないか」と持ち
かけてきた。 彼の標的は―たった一冊の
広辞苑!? そんなおかしな話に乗る気など
なかったのに、なぜか僕は決行の夜、モデルガン
を手に書店の裏口に立ってしまったのだ!
(文庫裏表紙より引用)
あいかわらず、いきなり奇想天外な場面から
物語が始まる。 話を持ちかけた「河崎」は
かなりエキセントリックな性格のようだ。
何事も自信たっぷりに断言するこの性格は
「チルドレン」の陣内を思わせます。
この作品も、少し変わった人物ばかりが
登場する物語です。
この、ぼく=椎名が語り手の「本屋強盗」の
現在と、わたし=琴美が語り手の二年前の
出来事が交互に語られて行きます。
本屋強盗、ペット連続殺傷事件、それを巡る
主人公たちの行動がストーリーの軸です。
ああ、おまけの小さな姉弟のレッサーパンダ
盗みも本筋には関係ないけれど面白い。
軽妙な会話、常識はずれの登場人物、意表を
つく出来事の連続。
そして、奇妙で可笑しくて少し哀しい物語。
私はこの話、好きです。
ボブ・ディランの歌も登場するしね♪