- ねじの回転 (新潮文庫)/ヘンリー・ジェイムズ
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「ねじの回転」
ヘンリー・ジェイムズ、著。 1898年頃。
「ねじの回転」シリーズ、第三弾です。
私は、H.ジェイムズと言う作家を知らなかったのですが、
アメリカ文壇の巨匠であるらしい・・・、です。
う~ん、タイトルと表紙が気になって購入しただけなので
「アメリカ文壇の巨匠である!」と威張って言えない・・・。
イギリスの片田舎の古い貴族屋敷。 そこに、両親と
死別してひっそり暮らす幼い兄妹。 二人の家庭教師
として赴任してきた若い女性が、ある日見たのは、
兄妹を悪の世界に引きずり込もうとする亡霊の姿だった
・・・・・・。 典型的なシュチュエーションを用いながら、
精緻な心理描写と暗示に富んだ文体で人間の恐怖を
活写した、「心理主義小説」の先駆者ジェイムズの
代表作である。
(裏表紙より引用)
う~ん、クラッシックと言うか、悠長と言うか・・・、
確かに精緻では有るのですが、まあ、今の時代から
するとさして怖くは無い話ですね。
かつてこの兄妹の世話をしていた者たちの亡霊が、
この兄妹に憑依しようとする。
それを、現在の家庭教師の女性が阻止しようとする。
そのような話です。
現代のジェットコースター・ムービーのような疾走感
はありません。 それに、怖がらせれば良いと言う
悪趣味な趣向も無い。
貴族的なのんびりした日常に忍び込む違和感。
だんだん、その違和感が大きくなり、亡霊の意図が
はっきりして来る。
最後は、この物語は悲劇として突然幕を閉じる。
古典的で、ゆったりとした展開は刺激が足りませんが、
一つ一つの場面が目に浮かぶような気がします。
シェイクスピア劇を見ているような感じでしょうか。
現代小説とは、明らかにテンポが違う・・・。
そして、最後の亡霊との駆け引きのシーンは一気呵成
に・・・。
これはこれで物語を楽しむことが出来ました。
しかし、このような小説を読むと、現代の小説は、
実に忙しないものかも知れないなあ・・・。
そんな事を感じました。