ねじの回転 // H.ジェイムズ | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
ねじの回転 (新潮文庫)/ヘンリー・ジェイムズ
¥460
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 「ねじの回転」


 ヘンリー・ジェイムズ、著。  1898年頃。



 「ねじの回転」シリーズ、第三弾です。


 私は、H.ジェイムズと言う作家を知らなかったのですが、

アメリカ文壇の巨匠であるらしい・・・、です。

う~ん、タイトルと表紙が気になって購入しただけなので

「アメリカ文壇の巨匠である!」と威張って言えない・・・。


 

 イギリスの片田舎の古い貴族屋敷。 そこに、両親と

死別してひっそり暮らす幼い兄妹。 二人の家庭教師

として赴任してきた若い女性が、ある日見たのは、

兄妹を悪の世界に引きずり込もうとする亡霊の姿だった

・・・・・・。 典型的なシュチュエーションを用いながら、

精緻な心理描写と暗示に富んだ文体で人間の恐怖を

活写した、「心理主義小説」の先駆者ジェイムズの

代表作である。

 (裏表紙より引用)



 う~ん、クラッシックと言うか、悠長と言うか・・・、

確かに精緻では有るのですが、まあ、今の時代から

するとさして怖くは無い話ですね。


 かつてこの兄妹の世話をしていた者たちの亡霊が、

この兄妹に憑依しようとする。

それを、現在の家庭教師の女性が阻止しようとする。

そのような話です。


 現代のジェットコースター・ムービーのような疾走感

はありません。 それに、怖がらせれば良いと言う

悪趣味な趣向も無い。


 貴族的なのんびりした日常に忍び込む違和感。

だんだん、その違和感が大きくなり、亡霊の意図が

はっきりして来る。


 最後は、この物語は悲劇として突然幕を閉じる。

古典的で、ゆったりとした展開は刺激が足りませんが、

一つ一つの場面が目に浮かぶような気がします。


 シェイクスピア劇を見ているような感じでしょうか。

現代小説とは、明らかにテンポが違う・・・。

そして、最後の亡霊との駆け引きのシーンは一気呵成

に・・・。


 これはこれで物語を楽しむことが出来ました。

しかし、このような小説を読むと、現代の小説は、

実に忙しないものかも知れないなあ・・・。

そんな事を感じました。