フラッタ・リンツ・ライフ // 森博嗣 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
フラッタ・リンツ・ライフ―Flutter into Life (中公文庫)/森 博嗣
¥680
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 「フラッタ・リンツ・ライフ」



 森博嗣、著。 2006年。



 さて、これで「スカイ・クロラ」シリーズを読了。


 1、スカイ・クロラ

 2、ナ・バ・テア

 3、ダウン・ツ・ヘブン

 4、フラッタ・リンツ・ライフ

 5、クレイドゥ・ザ・スカイ

 6、スカイ・イクリプス (短編集)


 私の読んだ順番は、1-6-5-2-3-4。

1-6は意図的に読みましたが、6-5は勘違い。

しかし、特に違和感は無かったです。



 ずっと二人で空を飛んでいても、決して触れることは

ない。 彼女の手を、頬を、僕の手が触れることはない

・・・・・・「僕」は濁った地上を離れ、永遠を生きる子供。

上司の草薙と戦闘機で空を駆け、墜ちた同僚の恋人

相良を訪ね、フーコのもとに通う日々。

「スカイ・クロラ」シリーズ急展開!

 (文庫裏表紙より引用)


 

 特別な「キルドレ」草薙の特殊性が明らかになります。

草薙と「妹」の関係。 草薙と函南。 草薙とティーチャ。

草薙と栗田。



 スカイ・クロラは、草薙を中心とした物語と言えるで

しょう。

ただ、読了しても、この物語は終わらない・・・。



 ただ、想像と思索によって各人がその残りを埋める。

身も蓋もなく言えば、未完の完結。

ただし、それで十分楽しめるシリーズになっています。


 スタイリッシュで、想像力を掻き立てる物語です。

非常に魅力的なシリーズであったし、確かに面白い

物語でした。



 ただ、私としては作品として不満が残ったのも事実。

全作を通じて、物語を組み立てれば確かに全てが

描かれてはいるとも言えますが、それは細切れの

シーンがフラッシュライトを浴びるように、場面場面が

浮かび上がるというものです。



 スカイ・クロラの謎。 

その部分は良いのです。

私なりに理解は出来ました。


 どうも、物語としての座りが悪い。

とは言え、このスタイルを選択した以上、ある程度

仕方のない事かも知れないのですが・・・。



 う~ん、何やらムズムズする読後感ではあります。

ともあれ、「スカイ・クロラ」シリーズ読了。

面白いシリーズでした。