東大の超過去問1964年 軌跡 | 東大カリスマ塾長 浜田一志公式ブログ -9割が伸びる”文武両道”勉強法-

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【問題】

平面上に2つの曲線

y=x^2・・・(1)

y=3x^2+24x+50・・・(2)

がある。このとき1点Pをとり,曲線(1)上の任意の点Aに対して,線分APを一定の比m:n(m>0,n>0)に内分する点Bが必ず曲線(2)上にあるようにしたい。

 点Pの座標(α,β)と比m:nの値とを求めよ。



【解説】

点A(a,a^2),点B(b,3b^2+24b+50)とおくことができます。

APをm:nに内分した点がBであるということから関係式

 b=(na+mα)/(m+n)

 3b^2+24b+50=(nb^2+mβ)/(m+n)

を出すことができます。


ただし,m,nが分数で複雑になるので

m/(m+n)=t とおくことで,n/(m+n)=1-t となり,m,nを1文字tで表すことができます。

いわゆるt:(1-t)という比の作り方です。m,n>0より,0<t<1です。


関係式を書き直すと

 b=(1-t)a+tα  ・・・①

 3b^2+24b+50=(1-t)a^2+tβ ・・・②

文字がa,b,t,α,βと5つもあるのに式が2つしかないですが

この①②が「任意のaでなりたつ」という条件があるのでt,α,βを求めることができます。


bを消去すると

 3{(1-t)a+tα}^2+24{(1-t)a+tα}+50=(1-t)a^2+tβ

3(1-t)^2・a^2+{6t(1-t)α+24(1-t)}a+{3t^2α^2+24tα+50}=(1-t)a^2+tβ

これが aについての恒等式になればよいので,係数を比較して


3(1-t)^2=(1-t)  ・・・③

6t(1-t)α+24(1-t)=0 ・・・④

3t^2α^2+24tα+50=tβ ・・・⑤

③より 1-t=1/3,0  0<t<1 より  t=2/3

④に代入して α=-6

⑤に代入して β=3


よって,P(-6,3) m:n=t:(1-t)=2/3:1/3 比の値=2


 注1 比m:nのとき,比の値とはm/nのことです。(算数の教科書にはありますが,高校の教科書には比の値の説明はありません。)


 注2 放物線をある点を中心に相似拡大したとき,x^2の係数が変わってきます。 k倍にすると x^2の係数は1/k倍されます。


 注3 放物線を相似拡大したとき,頂点は頂点に移ります。ただしこの事実を知っていても,記述で使うにはそれ自身の証明が必要になります。 答を予想したり,検算するときには役立ちます。

 本問でも, (1)(2)の頂点(0,0),(-4,2) と相似の中心P(-6,3)は確かに一直線上にあり,1:2の内分という条件も満たしています。