【問題】
平面上の2点P(x,y),Q(X,Y)の座標の間に
X=x/(x^2+y^2)
Y=-y/(x^2+y^2)
という関係がある。
このとき,点P(x,y)が不等式
(4x+3y-5)(4x-3y+5)>0
で表される範囲を動くとき,点Q(X,Y)はどのような範囲を動くか。
【解説】
本題の点PとQの関係は”反転”という座標変換で,大学数学では有名な事実です。
入試のネタによく登場します。似たものに”リーマン球面”もあります。
これらは,直線⇔円に変換するものです。
ネットで検索してみてください。
解の方針は単純です。
X=x/(x^2+y^2) ・・・①
Y=-y/(x^2+y^2) ・・・②
①②式を同値変形して,xとyをそれぞれ,X,Yの式で表す。
その式を 不等式
(4x+3y-5)(4x-3y+5)>0 ・・・③
に代入して,XとYのみの不等式を求めて,図示する。
ただし,実際の計算は,少々工夫をしないと骨が折れます。
①^2+②^2
X^2+Y^2=1/(x^2+y^2) ・・・④
①より
x=X・(x^2+y^2)
④より (x^2+y^2)=1/(X^2+Y^2)なので
x=X/(X^2+Y^2) ・・・⑤
同様に
y=-Y/((X^2+Y^2) ・・・⑥
※ ⑤⑥と①②は同値関係であることを答案には明言してください。
⑤⑥を不等式③に代入し
分母の(X^2+Y^2)を払うと
(4X-3Y-5X^2-5Y^2)(4X+3Y+5X^2+5Y^2)>0
平方完成をすると
{(X-2/5)^2+(Y+3/10)^2-(1/2)^2}{(X+2/5)^2+(Y+3/10)^2-(1/2)^2}<0
これは,2つの円
円A;中心(2/5,-3/10)半径1/2
円B;中心(-2/5.-3/10)半径1/2
の内部(ただし,円A,Bの重なり部分を除く)
になります。