2005年の甲陽学院の問題です。
この学校は,高校入試ではめずらしい試験時間90分です。
通常は50~60分ですので,(最長は,灘高の110分)
じっくり考えるセットになっています。
【問題】
[ ]に適する数を入れよ。
nを自然数とする。1/nを小数で表したとき有限小数(小数第何位かで終わる小数)となるものを考える。
nが2以上10以下の自然数であるとき,1/nを小数で表したとき有限小数となるnは[ ]個ある。
また,nが2以上200以下の自然数であるとき,1/nを小数で表したとき有限小数となるnは[ ]個ある。
【解説】
まず,実験すると
1/2=0.5→有限小数
1/3=0.3333・・・→ダメ(循環小数 といいます)
1/4=0.25→有限小数
1/5=0.2→有限小数
1/6=0.166666→ダメ
1/7=0.142857142857・・・・ダメ
1/8=0.125→有限小数
1/9=0.1111・・・ダメ
答 4個
次は2~200なので,全部調べると時間がなくなります。
そこで,有限小数になる条件を考えます。
例えば,
8は125倍すると1000になるので
1/8=125/1000=0.125
になります。
nは何倍かすると10,100,1000,10000・・・になる数でなければなりません。
つまり,nは10,100,1000,10000・・・・の約数です。
さらに,言い換えてみます
10,100,1000,10000・・・・を素因数分解すると
素因数には,2か5しか出てきません。
したがって,nは素因数分解したとき
素因数に2か5しか出てこない数ということになります。
① 2^□ のパターン
2^1=2, 2^2=4,~,2^7=128 の7個がOKです。
② 5×2^□のパターン
5, 5×2^1=10, 5×2^2=20, ~,5×2^5=160 の6個がOK
③ 5^2×2^□のパターン
5^2=25, 5^2×2=50, 5^2×2^2=100, 5^2×2^3=200 の4個がOK
④ 5^3×2^□のパターン
5^3=125 の1個がOK
合計 7+6+4+1=18
答 18 個