2014/11/26(水)

「目的」

 

農林水産省及び農研機構東北農業研究センター主催の平成26年度東北地域マッチングフォーラム「飼料用米給与が畜産物生産に与えるメリット」を受講し、米の価格下落解消策の理解を深める。

 

 

 


 

「内容」

 

 ・ 飼料用米利用の現状と問題点

 

 山形大学農学部附属やまがたフィールド科学センター吉田氏

 


 

・飼料用米生産と利用についての事例紹介

 

 山形県農林水産部畜産振興課 高尾氏

 


 

多収性専用品種を用いた飼料用米生産の取り組み
 農研機構東北農業研究センター 水田作研究領域 福嶌
 北部農業技術開発センター 石川

 


家畜栄養及び畜産物の品質から見た飼料用米利用
 山形県農業総合研究センター畜産試験場 庄司
 岩手県農業研究センター畜産研究所 佐々木
 青森県産業技術センター畜産研究所 中小家畜・シャモロック 

 

 部長 小原氏
 常盤村養鶏農業協同組合 三浦氏 

 


 

「成果」

 

 主食用米の価格下落の影響は甚大なものであり、JA新ふくしま管内では、60kg9,000円という落ち込みである。

 

 国の政策により輸入トウモロコシの割合が多い、飼料において主食用米から飼料用米の生産への大きな転換が望まれている。

 

 東北6県でも、遅れ気味であった福島県であるが、東日本大震災の影響を大きく受けた為に2011年の作付面積1500haから2012年は1000ha2013年には500ha2014年には900haという現状になっている。

 

 震災の他に生産や利用が増加しなかった要因としては、専用の種子が不足したこと、輸入トウモロコシが底値傾向だったこと、利用する側にも技術が必要であり、飼料の変更によるリスクがあることなどが挙げられた。

 


 

 飼料の地産地消を行うことによる畜産品へのブランド力が向上は期待できるのであるが、果たしてオール福島の製品が市場で受け入れられるだろうか?経営者もそういった方向に舵を切ることを検討してもらえるのだろうか?福島の場合はハードルがまだまだ高いという印象を受けるし、他県の取り組みが羨ましく思えてしまう。

 

 飼料用米というのは、主食用米とは異なり、どれだけ収量を得ることができるかが鍵となる。

 

 多収性専用品種に関しては、環境の影響を大いに受け、収量が変化してしまう。

 

 施肥管理においても、窒素の量が主食用品種に比べて1.32倍程度多くする必要がある。

 

 福島県においては、避難区域(富岡町)における飼料用米(べこあおば・ふくひびき)の試験栽培を実施し、米に含まれる放射線量についても玄米で20Bq/kg以下となるなど良い結果が出ている。(別紙:営農再開実証技術情報 「べこあおば」・「ふくひびき」による飼料用米の多収事例(富岡町))

 


 

 東北6県に栃木&新潟を含めると2013年においては、作付面積は、栃木県が非常に積極的に取り組んでいるが、収量においては山形県が群を抜いている。飼料米を活用した畜産品(牛・豚・鶏)のブランド化(商品化)にも取り組んでいる。

 


 

 牛や豚に関しては肉質(オレイン酸)が向上したり、鶏に関しては、鶏卵の黄身が白くなることをブランド化の材料にし、成功している。

 


 

 現状で、JA全農の飼料米が原料の飼料を調達しようとすると、石巻市の工場と郡山市での粉砕処理を経て、流通されるので厳密な意味での地産地消は実現することは環境的にも難しいとのことであり、地域内完結型の取り組みも紹介されたが、加工調整な

 

どの汎用性に課題があるとのこと。

 


 

 JA新ふくしまは過去に稲WCS(ホールクロップサイレージ)に取り組んでいた実績もあることを踏まえ、今後の福島市において飼料用米の転換に必要な条件を調査していく。


http://www4.pref.fukushima.jp/nougyou-centre/kenkyuseika/h25_reopen/h25_reopen_10.pdf