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  先週土曜日は奇跡のリンゴ木村秋則さんと自然栽培研究者弘前大学杉山修一教授 の講演に行ってまいりました。

 杉山教授は長年木村さんのリンゴ農園を研究してらっしゃる方です。木村さんの本は持っているだけで何故かまだ

 読んでおらず、講演を先に聴いてきました。事実本の映画化は興行収入を上げるため、ドキュメンタリー以外は必

 ず着色されてしまうので映画は見ていません。木村さんの写真を掲載したかったのですが、講演中の写真はNGだ

 ったので、パンフレットとお土産の自然栽培米煎餅の写真です(苦笑)。


  木村さんはかなりご苦労されたようで、木村さん前歯が無いんですね。ゲストスピーカーの御年80歳になられ

 た菅原文太さんがおっしゃるには、リンゴが実るまで何年もかかり長い間極貧生活だったそうです。ある夜弘前の

 繁華街で呼び込みのアルバイトをしていた時、酔っ払いに絡まれボコボコに殴られ歯が折れてしまったので歯がな

 いのだそうです。山へ入り首を吊ろうしたこともあるらしく、何度か死を覚悟しましたが一歩手前でいつも救われ

 たと話していました。現在木村さんは講演で引っ張りだこで心から本当に良かったと思いました。


  木村さんがいかに自然栽培が素晴らしい農法であるかを、慣行農業と有機JASの農産物と比較して説明して下さ

 ったのですが1つ間違いを発見してしまいました。有機JASは一部農薬や殺虫剤が認められており、それが原因の

 子供の死亡事故があり、有機JASがいかに良くないかを説明されていたのですが、有機JAS認証可能な農産物は範

 囲が広く実は木村さんの自然栽培のリンゴも有機JAS認証が取れるんです。実際、無肥料・無農薬・自然栽培農産

 物で有機JAS認証農産物もありまして、有機JASを悪としてしまうと、自然栽培・有機JAS認証農産物が誤解され

 生産者さん達が打撃を受けてしまうことも十分あり得ると思いました。


  身近なところで実際似たようなことがありまして、無農薬・無肥料・自然栽培の有機JAS認証農産物をある方へ

 贈ったのですが、有機JAS認証商品なので自然栽培ではなく、有機農産物だと思ったようです。口頭で贈った方へ

 説明しましたが、自然栽培と明記していなければ有機農産物だと思うのは当たり前ですよね。このように無肥料・

 無農薬・自然栽培農産物は有機JAS認証が取れて、実際そのような農産物は販売されているのです。


    


  講演中は写真NGということで檀上だけの写真ですが悪しからず(笑)。弘前大学杉山教授の講演がかなり興味深

 く共感でき、良いお話でしたので皆様とシェアさせて頂きます。


  私の読者の方は自然栽培の文字を最近見かけることが多くなってきたのではと思います。某大手オーガニックス

 ーパーではここ数年で自然栽培の野菜を扱うようになりました。少しずつではありますが自然栽培が市民権を得て

 きて、どんな農産物が健康に良いのかも消費者が理解してきているように思います。


  杉山教授は自然栽培を「外部からの資材の投入よりも生物の力を利用して栽培を行う農業」と定義づけていまし

 た。要するに肥料を与えて栄養価を高くするなど農産物自体のことだけを考えた農業ではなく、農産物に必要な土

 ・水・農地に棲む微生物や植物などの多くの生物とその間に働く相互作用をうまく利用して環境全体を考え、それ

 らの恩恵を受ける農業のことを指しています。


  木村さんのリンゴ農園の映像が映し出されましたが、リンゴの木の下は一面緑色の下草が生えていました。しか

 し、お隣の慣行農業リンゴ農園の圃場は下草がキレイに刈られて茶色の土が見えていました。この写真どこかで見

 たことがあると思ったら、フランスの自然栽培ブドウ農園と同じでした。ヨーロッパはオーガニック大国。フラン

 ス・ドイツ・オーストリア・スイス・イタリア・スペインなどワイン造りが盛んな国々では自然栽培のブドウから

 造られたオーガニックワイン があり、自然栽培ブドウの木の下草はオーガニックハーブが冬でも茂っていました。

    

  慣行農業は農薬・殺虫剤・肥料を使用しますが、農薬が化石エネルギーである石油が原料であることをご存知で

 しょうか。また殺虫剤はベトナム戦争で化学兵器として使用された枯葉剤を希薄したもので、先天障害児や奇形児

 が生まれ、多くの米帰還兵の子供にもその症状は出たといいます。この化石エネルギーの投入で効率的に農産物を

 大量生産をしているのが慣行農業です。


  自然栽培は化石エネルギーではなく太陽エネルギーで栽培され、農薬・肥料・殺虫剤未使用のため原価ゼロ。生

 産量は慣行農業に比べると少し減りますが、高品質で安心できる農産物を生産しています。生物多様性を維持しな

 がらその間の関係性をうまく制御して安定したそして持続可能なシステムが自然栽培であると杉山教授は語ってい

 らっしゃいました。要するに、自然栽培は慣行農業より経済的に優位性があるということになります。


  人間にとって食料は言わずもがな重要なものです。そして農業生産が低い国は国力が弱い発展途上国で、生産性

 が高い国は先進国であるという事実は、日本の行く末を案じているような気がします。これからの日本社会の課題

 は地方と農村のあり方にあり、現在の農村は思考が停止してしまっていると杉山教授は言います。農薬・肥料・種

 ・農機具などを○協から借金をして購入し、儲けがほとんどない農業は農業従事者の意欲と思考能力を低下させて

 しまいました。自然を利用し、豊かに暮らしていくことが自然栽培農業で実現可能だと締めくくっていました。


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