Little Glee Monsterが3枚目のシングル「人生は一度きり / ガオガオ・オールスター」をリリースした。
本作の表題曲2曲はそれぞれ代々木ゼミナールのCMソングとアニメ「ポケットモンスターXY」のエンディング曲。さらにメンバー麻珠のソロナンバー「君を今でも」など計4曲が収められている。
今回はシングルのリリースを記念し、彼女たちの大ファンだという乃木坂46の高山一実とリトグリメンバーとの対談を実施。6人を前に高山から改めてリトグリの魅力を聞いた。
取材・文 / 鵜飼亮次 撮影 / 笹森健一
──高山さんがLittle Glee Monsterの大ファンだと伺って今回の対談にいたりました。高山さんにはここでぜひ思いの丈を語っていただければと。
高山一実(乃木坂46) もう大ファンなんですよ! 私は乃木坂のメンバー全員から知られてるくらい毎日リトグリちゃんの話をしてて。
Little Glee Monster一同 えー!
高山 先日も「MUSIC JAPAN」の収録で観られてうれしくてうれしくて。メンバーと一緒に観てたんだけど「かずみん、これはハマるわ」ってみんな言ってたよ。
manaka うれしい!
高山 初めて会った「ソニレコ!暇つぶしTV」の収録のときは単純に「フレッシュだなあ」って思ってたくらいでしたけど、それから曲を聴いたりYouTubeで動画を観たりして……その中でもメンバーが1人ずつ歌ってる動画は6人の歌のレベルが高くて、観てて泣いちゃうほどでした。もう全員が天才ですよね。
高山 ホント? ありがとう(笑)。
神対応の6人
──ほかにリトグリに魅力を感じているところはありますか?
高山 かわいいところもいいですよね。「ガオガオ・オールスター」のミュージックビデオを観たんですけど、みんなの着ぐるみ姿とかもう……かわいすぎてつらい……!
リトグリ一同 あはははは(笑)。
かれん あのMVではみんな色違いの着ぐるみを着ていて。
麻珠 ありがとうございます!
──じゃあ、リトグリにとっての高山さんっていうのは?
芹奈 こうなりたいなって思える、すごく優しい先輩です。憧れです。
MAYU 大好きです。
高山 いやいやいや。
manaka トーク力がすごいなって。リトグリは恥ずかしがって、あまりうまく話せないんで、いつもニコニコして面白いこともスパッと言える高山さんを見習わないとって思ってます。
高山 いやいやいやいや! ああもうホント、リトグリちゃんたちはみんないい子! 性格も素晴らしいから接したときにこうやって優しいことを言ってくれて……アイドルの言葉で言ったら神対応ですよ。
リトグリ一同 あははは(笑)。
──高山さんは山口百恵さんに憧れてこの世界に入ったそうですが、リトグリのメンバーにも百恵さんをルーツにしてらっしゃる方がいますね。
高山 そう、アサヒちゃん! 昭和歌謡を歌ってる動画を観たんですけど、それが好きです。歌謡曲も好きだけど、アサヒちゃんが歌ってる昭和歌謡を聴くのがすごく好き。
アサヒ うわあ、うれしすぎます。言葉の家宝にします。
麻珠 言葉の家宝って何?(笑)
今だから歌えた曲
──高山さんもかわいいと絶賛の「ガオガオ・オールスター」ですが、映像だけじゃなくて音楽もにぎやかですよね。いろんな声を入れたりどんどんテンポを速くしたりって展開の楽曲を歌うのはリトグリにとって初挑戦では?
麻珠 はい。でも歌ってみてこれも自分たちらしいなって思いました。レコーディングでは6人で一緒にブースに入ったりもしましたし。
manaka 今まで6人一緒にクラップを入れることはあったけど、今回みたいにみんなでアドリブを入れるのは初めてでしたね。
芹奈 ガヤを入れるのとか、すごく楽しかったです。こういう感じの曲は初めてだったので「リトグリにここまで明るい曲歌えるかな」って思ってたけど意外とできるんだなって。自分たちが歌える曲のバリエーションを増やせた気がします。
MAYU 曲中でラップに入る前に「イエー! フー!」って合いの手も入れたんですけど、そこに笑い声が入ってるのは実際にメンバーがお互いを笑わせあってるっていう、演技じゃなくてガチのものなんです。ウヒャヒャヒャヒャってノリの声とか(笑)。素の自分たちが出せた、今のリトグリにしか歌えない曲だと思います。
高山 ああ、今しか歌えないっていうの、私も感じたことあるなあ。例えば「ぐるぐるカーテン」はデビューシングルだからこそよかったというか、初々しさが出ている歌だなって。声も若いしね(笑)。でもリトグリちゃんがこの曲を10年後に歌ってたとしても、たぶん私にとってはずっとかわいいっていう存在のままで……うふふふ(笑)。
リトグリ一同 あははは(笑)。
大きな一歩になった
──もう一方のタイトルナンバーは「人生は一度きり」。高山さん、こちらはいかがでしたか?
高山 最初はCMを観ていて、これがリトグリちゃんの曲だって知らなかったんですよ。それで「すごく歌がうまい子だなあ」ってCMに出演している子に対して思ってたんです。そしたら後日「あれリトグリちゃんの曲だったんだ!」と気付いて。CMでオンエアされてるのは芹奈ちゃんがメインで歌ってる部分かな?
芹奈 そうです。
高山 ね。「芹奈ちゃんの声かー!」と気付いて、「そりゃうまいわ!」みたいな(笑)。
リトグリ一同 あははは(笑)。
高山 そのあとフルで曲を聴いたらCMとはまた違った印象で、みんなの声がすごくきれいに組み合わさっているし、Aメロからすごくいい曲。
麻珠 大変だった……かな? そうでもないかもしれません。
かれん それよりこの曲は歌詞もメロディも完成するまでにいろいろ変わっていったので、最初の段階から歌ってきた自分たちも一緒にこの曲を作り上げたっていう気持ちが強いですね。「こっちのほうがいいんじゃないか」ってメンバーやスタッフさんといろいろ意見交換をしました。
高山 へー。
manaka この曲は“2人の自分”をイメージして歌うようにしてます。サビとかで出てくる、強くなりたいと思ってる“表”のか弱い自分と、「負けたらあかんよ」って励ますちょっと強い“裏”の自分がいて。
そんな“自分たち”がお話をするって設定なんです。裏側の自分が「もっともっとがんばりなさい」みたいなこと言って、表の自分は「わかってるよ!」って言い張るみたいな感じの掛け合いをしながら最後にはどちらも強くなっていくっていう構成を思い描いて。こうやってストーリーをイメージしながら歌うのは初めてで、それが自分たちにとって大きな一歩になったかなって思います。
高山 なるほど。この曲はホント、リトグリちゃんを知る入り口になるんじゃないかなって思う。CMソングって形で耳にする機会も多かったし、この曲をきっかけにリトグリちゃんにハマる人がたくさん出てくる気がするなあ。
共感を与えられる存在
──「人生は一度きり」っていうタイトルはすごくストレートでインパクトのある言葉ですよね。
麻珠 はい。日常的には言わない言葉ですよね。最初はびっくりしました。「大きいテーマだなあ」って。
アサヒ すごい深く胸に刺さって、自分のことをすごくいろいろ考えさせられたって感じ。歌詞も1つひとつが刺さる言葉ばかりで。みんなに届けばいいなって思いながら歌ってました。
麻珠 そうそう。だからこの曲は今まで以上に「がんばりたいときに聴きたい」っていう感想がすごく多かったです。
高山 うん。私は先月舞台とドラマが重なってすごく忙しくて。もうヤバいってなったときにスタッフさんから「高山がんばれ」って書かれた今回のサンプルCDをもらって(笑)。この曲にすごく励まされた。
芹奈 ありがとうございます。私はあまり自分の曲を聴かないんですけど「人生は一度きり」ができたときは何回も聴いてて。すごく背中を押されるし、同時にいろんな人の背中を押したいって気持ちにもなるから、ライブのときは体全身で伝えることをすごく意識してます。
高山 ライブを観に行ったときに思ったけど、リトグリちゃんのファンって同世代の子が多いよね。それってみんなが等身大でまっすぐな言葉を歌で伝えてて、それに共感してくれる人がいるってことだからすごくうらやましいなって思った。
アイドルを応援してくださる方にはいろんな方がいらっしゃるし、そのみんなが求めるものに応えていく必要があって。
何かを伝えるときにもただ言いたいことを伝えるだけじゃなくて「これを言ったら悲しむ人がいるかもしれない」と思ったら気持ちを押し殺すこともある。
だからブログの内容も考えるし、握手の仕方にもすごく工夫してる子もいて。ライブや舞台だって、観てくれた方から「ああ、この子を応援してよかった」って思われるぐらいのパフォーマンスにしなきゃいけないからすっごく大変。
だから歌っていう特技を持ってて共感を与えられるリトグリちゃんはすごいなって。
乃木坂はけっこうみんな自分に自信がない子が多くて、それぞれ強みっていうのがわからないから今も悩みながらやってるんだよ。
manaka でもリトグリも一緒です。みんなすごく自信がない。だからスタッフさんから「ちゃんと堂々としなさい!」言われて、「しゃんとせな!」って思ってます。
高山 えー! ホントに!?
初のソロ曲収録と6人の関係性
高山 今回のシングル、最初にもらったサンプル盤には麻珠ちゃんのソロの曲が入ってなくて。早く聴きたいなーってずっと思ってて、サンプル第2弾ももらったんだ(笑)。めっちゃ楽しみにしてた。
麻珠 最初ソロをやるって聞いたときはすごく緊張しました。ちゃんと歌えるかなって。
高山 うんうん、そうだよね。
麻珠 いつも6人で、それぞれ自分のパートを持ってるのに全部自分だけの声っていうのにプレッシャーを感じたというか、大丈夫かなって。
──ソロ曲「君を今でも」は麻珠さんの声の大人らしさがよく出た1曲ですよね。
麻珠 はい。初挑戦の大人っぽい恋愛ソングで、これを歌えてすごくありがたいと思いました。
manaka 私たちも「どんなんになるんやろ」って思ってた。
芹奈 そう、ほかのメンバーはずっと聴けてなかったしな。「ちょっと聴かせて」って言ったのに麻珠が聴かせてくれなくて(笑)。
麻珠 ホントは7月15日の発売日に聴かせようって思って「それまでのお楽しみね」とか言ってたけど、スタッフさんから送られてきたデータの中に入っちゃってて。「え!?」みたいな(笑)。でもみんなから「よかったよ」って言われてすごいうれしかった。
──ソロ曲が作られたこのタイミングで改めて聞いてみたいんですが、リトグリのメンバー6人の関係性って、ただ仲間というだけでなくてお互いをライバルみたいに見てるところも実はあるんでしょうか?
麻珠 うーん、ライバルというか……。
芹奈 6人で作るときはよきライバルとしていい刺激を受けたりしながらレコーディングしていくんですけど、逆に今回のソロ曲は仲間として聴いてましたね。こうして麻珠のソロ曲ができてみんなうれしいって思ってるし。
MAYU うん。
アサヒ 今後はほかの5人もすごく個性の出る、それぞれのいいところを生かせたソロ曲ができたらいいなって思うし。
かれん 私はジャズやボサノバに挑戦してみたい。
MAYU それ、すごく面白そう。
高山 ああ……素敵だね。私は今回麻珠ちゃんだけの曲があるって聞いて、競うみたいな感じとは違うんだろうけど胸が苦しくなった。
みんな素敵でみんな違ったよさがあるけど、もしかしたらこうやって彼女たちは戦うんだなって思って。
乃木坂には「16人のプリンシパル」っていう舞台があって、第1幕で観たお客さんの投票によって第2幕に出られる16人が決まるんだけど、それが頭に浮かんだよ。
みんなやっぱり仲間で、いいなあって思うこともあって刺激も受けるんだけど大変で。
いろんなことを考えながら、でも仲間の幸せは自分の幸せって思えるようになる。
だからリトグリちゃんもそう思ってるっていうのはすごいって思った。若いのにみんな素晴らしい人格の持ち主だなって。
manaka 人格(笑)。
これからの自分たち
──このシングルがリリースされたあと、13カ所におよぶ全国ツアーもスタートします。今どんな気持ちですか?
麻珠 まず今すべきなのはリトグリを広げていくことというか、もっともっといろんな人に私たちの歌声やリトグリっていう存在自体を知ってほしいなって。
前回の東名阪ワンマンを回ってみて、自分たちのいいところも出せたけど、まだまだってところもたくさんあるなって思ったんです。だから次はもっとがんばりたい。
──具体的には?
麻珠 私たちにはどうしても最初に「歌がうまい子」っていうイメージがあって、それでライブに来てくれた方の中には「うまいなあ」っていう感想だけで帰る方もたぶんたくさんいたと思うんです。
でもそれだけじゃなくて、もっとリトグリの歌で元気や勇気をもらったって言葉を聞けるようになりたいです。
「歌がうまい」から一歩先に行きたくて、全国ツアーでは、自分たちの歌がもっと人の心に届くように、6人で気持ちを込めて伝えていきたい。
MAYU 今年の春に回った東名阪に来てくれたファンの皆さんにはそのときより成長したLittle Glee Monsterを観てもらいたいですし、これまでリトグリを観たことない人にもきちんと見せたい。
テレビで私たちの曲が流れるのを聴いて知ってくれた方もいっぱいいると思うんで、そんな人たちにもワンマンでさらに好きになってもらえたらいいなってすごく思います。
manaka 最近は「初めて観るアーティストのライブがリトグリです」って言ってくれる子もすごく多くて、そういう子たちの心の中にインパクトを残したいんです。
それに最近歌を歌いながらすごく思うんですけど、悲しいときやうれしいときに思い浮かべる歌ってあるじゃないですか。
がんばろうってときに励ましてもらうために聴いてた曲、つらいときに聴いてなぐさめてもらった曲とか。あと聴いてたら「あ、あんなことがあったな」って一瞬で過去を振り返られる曲もありますよね。
歌の力でそういうことができるのなら、私たちがそれを歌えるようになりたいなって思ってます。
高山 やっぱりリトグリちゃんは私にないものをたくさん持ってるね。
だって私がみんなぐらいの歳のときなんてごはん食べて寝るみたいな感じの生活だったから(笑)。
今の時期は「同世代の子たちがみんな遊んでるのに」って思ってつらいとかもあると思うけど、いろんなことを経験してるっていうのは絶対に将来返ってくると思う。
manaka はい! がんばります。
──ツアーが始まる9月にはドラマ「表参道高校合唱部!」の主題歌に選ばれた新曲「好きだ。」もリリースされますね。高山さんはもう聴きましたか?
高山 はい。これもめっちゃいい曲ですよね。最初「好きだ。」ってタイトルだから恋愛ソングかなって思ってたんですけど、2番のサビでは「今日が好きで 明日が好きで」っていう内容になって。前向きになれるから帰り道に空を見ながら聴いてみたいって思いましたね。
リトグリ一同 ああ。
高山 「明日がんばろう」って思える曲ですよね。
リトグリちゃんと同世代の中高生じゃない人が聴いても青春時代を思い出せるようなさわやかなナンバーですね。ドラマも観なきゃ(笑)。
リトグリ一同 あははは(笑)。
高山直伝の緊張のほぐし方
──ドラマといえば、8月にはドラマ出演もしますし(参照:Little Glee Monster、合唱部題材の連続ドラマで主題歌担当 )、ラジオのパーソナリティを担当したり、「おはスタ」などのテレビ番組に出演したりと、リトグリがメディアに登場する機会が増えてきましたね。
高山 そうそう。テレビに出るのは緊張する?
リトグリ一同 します!
高山 それはトークのほう? それとも歌?
アサヒ もうトークが……。
高山 そっかそっか。私はなんかけっこうその場を楽しんじゃう系の人っていうか、たまにわーってなるけど大丈夫なんだよね。
1日のうちでどんなに失敗しても成功しても同じ24時間っていう感じで、結局1年365日の中で今日何か嫌なことがあっても、結局365分の1でしかないって思ってたらなんか全然緊張しないかな。もっと緊張したほうがいいんだろうけど(笑)。
リトグリ一同 すごい!
高山 でもリトグリちゃんがすごいのは緊張してるふうに全然見えない。それがすごいなあっていつも思ってるよ。
芹奈 わーそれめっちゃ言われます(笑)。
manaka でも実際はしてて。もう負のオーラすら漂わせちゃう感じ。
麻珠 顔とか引きつりまくりです。
高山 そうなんだ! でも好きな人はどんな姿も好きでいてくれるから、緊張してる姿もたぶん好きだし全然大丈夫。緊張してていいし、してなくても大丈夫だよ。
manaka 深っ! でも確かに私も好きなアーティストさんが緊張してる姿を見ててもまったく嫌じゃないです。
アサヒ うん。
高山 ね? ちょっと観たい気もするよね。
マッサージに行こう
manaka 休日は何をされてるんですか?
高山 休日ねー。私は学生時代の友達と会ったりすることが多いかな。いろんな職業の子がいて、保育士さんや美容師さんとかといろんな話すると面白くて。あとは……マッサージかな。でもみんな若いから行かないでしょ(笑)。
manaka マッサージ、ですか?
高山 そうそう。マッサージとか整体とか(笑)。
manaka えー、気持ちよさそう。
高山 すごく気持ちいいよ! 歌やダンスが大変だなあって感じたり、肩とか凝ったときにすっごくいいから!
麻珠 行きたい!
高山 ぜひぜひ。
manaka 肩凝りやすいんですよ(笑)。みんないつもリュックに衣装と靴を入れて全部自分で持つから。
MAYU そうそう。
高山 わー、大変だそれは。
manaka オススメのとこ教えてください。
高山 全然いいよー! ああ、でも休日の過ごし方がマッサージって……一応ほかのこともやってるからね(笑)。