2010年3月に韓国の哨戒艦が北朝鮮によって撃沈される事件がありました。韓国には自衛の権利がありましたが、それを放棄して何もしませんでした。さらに同じ年の11月にヨンピョン島を北朝鮮から砲撃された時も即座には行動しませんでした。
この時筆者は、ある程度の反撃をしておかないといずれまた北朝鮮から挑発されるのではないかと危惧し、何もしない韓国を見て唖然としました。
評論家の青山繁晴氏は、韓国による反撃はアメリカに止められていたという解説をしていましたが、どうも私には納得できないものでした。
今回、エドワード・ルトワックというアメリカの戦略家が書いたThe Rise of Chinaという本の中でこの問題がとりあげられているのを見つけました。
ルトワックは、韓国が反撃しなかったのは中国を刺激することが嫌だからだったと記しています。
というのは、中国は北朝鮮からの兵器の要求を韓国の意をくんでかどうかはわかりませんが一応断っています。そして中国は朝鮮半島で何か問題があれば、すぐに無責任に「両方に落ち着いた態度を求める」という声明を発表します。
このような時に韓国が北朝鮮に対して反撃したら中国の面子を丸つぶれにしてしまうというわけです。
ルトワックは韓国の国家戦略を「北朝鮮による通常兵器による攻撃は中国に抑止してもらって北朝鮮の核による抑止はアメリカに頼もうとしている」とし、そのような状態を「アメリカとの同盟を組んだまま中国の華夷秩序に入ろうとしている」という上手な表現を使っています。
しかし、ルトワックは韓国の米中に依存してばかりいて自分は何もしない戦略を批判して次のように書いています。
「戦略的逃避主義は国際政治の中では珍しくはないが、活発な同盟関係を維持するには不向きで、本当に脅かそうとしているものには簡単に脅されてしまう」
ルトワックの本はもうじき日本語訳が出るそうなので読んでみてください。日本に関する章でも鋭い考察を展開しています。
この時筆者は、ある程度の反撃をしておかないといずれまた北朝鮮から挑発されるのではないかと危惧し、何もしない韓国を見て唖然としました。
評論家の青山繁晴氏は、韓国による反撃はアメリカに止められていたという解説をしていましたが、どうも私には納得できないものでした。
今回、エドワード・ルトワックというアメリカの戦略家が書いたThe Rise of Chinaという本の中でこの問題がとりあげられているのを見つけました。
ルトワックは、韓国が反撃しなかったのは中国を刺激することが嫌だからだったと記しています。
というのは、中国は北朝鮮からの兵器の要求を韓国の意をくんでかどうかはわかりませんが一応断っています。そして中国は朝鮮半島で何か問題があれば、すぐに無責任に「両方に落ち着いた態度を求める」という声明を発表します。
このような時に韓国が北朝鮮に対して反撃したら中国の面子を丸つぶれにしてしまうというわけです。
ルトワックは韓国の国家戦略を「北朝鮮による通常兵器による攻撃は中国に抑止してもらって北朝鮮の核による抑止はアメリカに頼もうとしている」とし、そのような状態を「アメリカとの同盟を組んだまま中国の華夷秩序に入ろうとしている」という上手な表現を使っています。
しかし、ルトワックは韓国の米中に依存してばかりいて自分は何もしない戦略を批判して次のように書いています。
「戦略的逃避主義は国際政治の中では珍しくはないが、活発な同盟関係を維持するには不向きで、本当に脅かそうとしているものには簡単に脅されてしまう」
ルトワックの本はもうじき日本語訳が出るそうなので読んでみてください。日本に関する章でも鋭い考察を展開しています。