3月決算の企業の場合、9月末にも、在庫の棚卸を実施する会社も多いかもしれません。
何度か実地棚卸について書いていますが、今週1週間は、実地棚卸について書きたいと思います。
初日の今日は、『事前の準備』についてです。
なお、今週は、以下の内容を予定しています。
① |
事前の準備 |
② |
当日の作業(その1) |
③ |
当日の作業(その2) |
④ |
当日の作業(その3) |
⑤ |
後日のフォロー |
それでは、9月末の実地棚卸の事前準備として、今から何をすれば良いでしょうか?
以下の点に留意することが必要だと考えられます。
① |
責任者・管理者の選任 |
② |
実地棚卸計画書の作成 |
③ |
実地棚卸マニュアルの作成 |
④ |
実地棚卸計画書及び実地棚卸マニュアルの配布 |
⑤ |
実地棚卸現品の事前準備 |
⑥ |
その他 |
①『責任者・管理者の任命』ですが、誰の責任で行うかを明確にします。
『実地棚卸全体を統括する責任者』と、『現場レベルでの責任者』とを選任します。
また、現場では『責任者を補助する管理者』も選任することが必要となってきます。
②『実地棚卸計画書の作成』ですが、責任者・管理者の選任、実地棚卸当日のタイムスケジュール、実地棚卸の対象範囲、チーム編成及び作業分担などを決めます。
③『実地棚卸マニュアルの作成』ですが、実地棚卸は、どうやって行うかのルールを決めたうえで実施するため、作成する必要があります。
この『実地棚卸マニュアル』をきちんと作成しておかないと、それぞれが独自のルールで勝手に実地棚卸を行うことになり、全社的に統一された実地棚卸、つまり、効率的な実地棚卸を行うことができません。
④『実地棚卸計画書及び実地棚卸マニュアルの配布』ですが、実地棚卸の関係者に、事前に実地棚卸のことを理解しておいてもらうために、配布します。
企業によっては、事前に実地棚卸の関係者を一同に集めて説明会を開催することもありますが、そうすることが、実地棚卸を効率的かつ効果的に行うには有効でしょう。
⑤『実地棚卸現品の事前準備』ですが、実地棚卸をスムーズに行うため、整理整頓を行います。
普段から必要ですが、効率的かつ効果的に実地棚卸を行うためには、整理整頓は重要なことです。
⑥『その他』ですが、実地棚卸当日の効率性を高めるため、実地棚卸当日までに動きがないと思われるものは事前にカウントしたりします。
ただし、事前にカウントしたものについては、明確に分かるようにしておく必要があります。
あと、コントロールシート、棚卸原票などの準備も必要となります。
詳細については、2013年2月に中央経済社から出版した拙著『誰も教えてくれなかった実地棚卸の実務Q&A』(http://www.amazon.co.jp/dp/4502470309/
)をご覧下さい。
実地棚卸の事前準備について、お分かりいただけましたか?