壽を押す彫り上がった、ふたつの判子。ひとつは「福」の字、もうひとつは古い書体の「壽」です。桃山時代の黄瀬戸福字鉢の「福」の字はとても伸びやかです。三井記念美術館で見た本物は、どうやら「福」の字を判押ししていることがわかりました。それで私も彫っていたのです。ようやく判子が出来上がったので、ロクロ引きした生の器に押しました。それがこの「壽」鉢です。焼き上がると、あの黄金色の黄瀬戸鉢になるはずです。なーんて、高望みのコフクママです。