「CUTIE HONEY キューティーハニー」 | こだわりの館blog版

「CUTIE HONEY キューティーハニー」

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キューティーハニー

特集【日本映画を語ろう!】
【プレイバック2004】今日と明日は2004年になぜか大量に作られた
TVアニメの実写版リメイクを取り上げたいと思います。
本日は「新世紀エヴェンゲリオン」の庵野秀明が、
永井豪のお色気漫画の実写版に挑戦した「CUTIE HONEY キューティーハニー」
実は…密かに…期待してたんですけどね。

2004年劇場公開作品
監督:庵野秀明
出演:佐藤江梨子、市川実日子、村上淳、及川光博、小日向しえ、他

  さえない派遣OLのハニー(佐藤江梨子)は変幻自在に姿を変えられる
  サイボーグ【キューティーハニー】だった。
  そんな彼女を悪の組織パンサークローと女警部の秋(市川実日子)、
  記者の早見(村上淳)が追うが…。

永井豪の「キューティーハニー」のアニメ版はリアルタイムで子供の頃見てました。
当時、今にして思えばよくあんなお色気を
TVのましてや子供の時間帯に放送できたもんだなと思うくらい、
当時の私にとっては、そのお色気度は強烈で毎週クラクラしてしまってました。
そんな想い出の「キューティーハニー」が実写版で、
ましてや今度はR-15指定くらいにしておけば、大人の世界にも限定できる
【映画】というジャンルでのリメイクなのですから
今だからこそ【大人の漫画】として徹底的に描いて、
いかに永井豪の【お色気】の世界に近づけてくれるかと、
密かに期待していたのでありますが、

結果はさっぱり。
これじゃあ子供の頃に見ていたTVのアニメ版の方がおもしろかったですワ。

この作品の制作者陣は困った事に
全く永井豪の漫画の持つ【お色気】路線を理解していないというか、
全く描こうという【気持ち】すらないんですね。
なんだかアニメの持つスプラスティックな【笑い】ばかりに固執して茶番劇を延々と繰り返し
しかもその【笑い】が空回りしっぱなしだから余計タチが悪い。
それでいながら後半になると女警部の秋(市川実日子)を中心に
変に真面目な展開になったりして、
オイオイ永井豪の原作には少なくとも【変に真面目な要素】なんかこれっぽっちもありませんでしたよ!

永井豪は「ハレンチ学園」やこの「キューティーハニー」など
スプラスティックなギャグと明るいお色気路線で
次々と作品を発表し、高い人気(特に子供たちの!)を得てきた作家であり、
そのお色気路線は一時「PTAの敵」とまでつるし上げられたくらいです。
それでもこの路線を変えようとせず首尾一貫して描いてきたからこそ、
彼の作品は今日も大人たちの(特に当時子供だった世代から)指示を受けているのであり、
その作品を今日リメイクするのであるのなら、
少なくとも原作の持つ要素だけは忠実に描いてほしいもの。
誰も「新世紀エヴェンゲリオン」の庵野秀明監督作品なんて期待していません。
「永井豪の漫画の実写版」という期待感を制作者たちは少しでも尊重して欲しかった。
…お色気路線で、ここまで熱くなるのはやめましょう。
さてこの作品、キャストもよろしくない、全く魅力なし。
キューティーハニーに扮した佐藤江梨子も事務所の問題からか、やたらとガードが固くて
これじゃあアニメ版の方がまだ自由奔放なお色気がありましたよ。
そんなにガード固く演じなければならないならオファー自体引き受けなければいいのに…。
では演技がうまいかといえば、もうこれが学芸会に毛の生えたような演技でしょ、
これも事さらタチが悪い。
女警部秋の市川実日子も栄養失調のような容姿はこれまたお色気ゼロ
永井豪の漫画には、まず彼女のような栄養失調キャラは少なくとも出てきません。
よくこんなストイックなキャストを引っ張ってこれたモンです。
まぁ唯一よかったのは悪役の及川光博ぐらい。
彼はよかった、永井豪の漫画に出てきそうな雰囲気がありましたもの。
「春の雪」での強烈なイメージといい、本作品といい、
この人は【ちょっと出】にいい味を出しますね。
但し、ちょっと怪演気味の部分もありますから、
決して主役級を演じて長時間見たいとは思いませんけれどね。

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