「4人の食卓」 | こだわりの館blog版

「4人の食卓」

アミューズソフトエンタテインメント
4人の食卓

この4日間、歌舞伎とイッセー尾形の感想でお休みしておりました
【真夏の夜のホラー特集】復活であります。
前回はハリウッド製ホラー作品ばかりでしたので、
この3日間はちょっと他国のホラー作品を鑑賞していきます。

そして、その復活後の第4弾は「4人の食卓」であります。
現在、日本よりも注目が集まっているのではとも思える韓国ホラー。
それでは、そのお手並み拝見といきたかったのですが…。

真夏の夜のホラー特集第4弾
1994年劇場公開作品
監督:イ・スヨン
出演:チョン・ジヒョン、パク・シニャン、ユソン、キム・ヨジン、チョン・ウク、他


韓国ホラーは、その“怖さ”が日本の怪談あたりと非常にテイストが似ているからか、
一昨年あたりから日本でもブームとなって大量の作品が現在も公開されております。
そんな日本でブームの韓国ホラーなのですが、
残念ながら私はあまり見ておらず、見たものを挙げても、
そのブームの先駆けとなった「ボイス」と昨年の「箪笥(たんす)」の2本のみです。

まあ韓国ホラーは単館に近いような小規模な公開のされ方が多く、
とてもチェックしきれない、というのが正直なところなのですが、
もう一つ私を韓国ホラーから遠ざけるのは「箪笥」を見た時強く思ったのですが、
演出が“怖い”雰囲気を作り出す事に専念し過ぎて、
結果としてストーリー展開がえらく“いいかげん”で何がナンだかさっぱりわからないということです。
大ヒット作「猟奇的な彼女」の主演女優チョン・ジヒョンが出演しているホラー作品として
日本でもヒットしたこの「4人の食卓」も、
「箪笥」と同じじゃ困ったな、と危惧していたら見事なまでに予想通りでした。

どうして雰囲気ばっかり気を使って、肝心のストーリー展開に気を配らないのでしょう

この作品、出だしは好調なんですよ。

 結婚を間近に控えたジョンウォン(パク・シニャン)は
 地下鉄で見かけた幼児が毒殺されたことを知る。
 その日から自宅の食卓で幼児の亡霊を見てしまうジョンウォン。
 やがて霊感の強いヨン(チョン・ジヒョン)と知りあう。

ホラー映画として、怪談ものとしてもムード満点の滑り出し。
さぞかしその後もこの幼児の幽霊が重要なキーワードになってきて、
そしてヨン(チョン・ジヒョン)と幼児の関係がわかった時には“怖さ”も遂に最高潮!
と、誰もが思いますよね。
ところがこの幼児の幽霊、その後は全くストーリーと絡んできません
幼児の幽霊を見てから霊感が鋭くなったジョンウォンが、
同じ霊感の強さを感じて知り合ったヨンとからんで、
さらに自分の子供をマンションのベランダから放り投げ殺した罪で
裁判にかけられる主婦などが登場し、
“霊感”やら“霊視”などのキーワードが頻繁に出てはくるのですが、
これが「コワイぞ!コワイぞ!」という雰囲気ばかりを作り出して、
肝心のストーリーが困ったことにちっともわかりません
ストーリーがわからないことには何が「コワイぞ!」なのかもさっぱりわからない始末。

この監督は“霊感”や“幽霊”などのキーワードを持出し“怖い”雰囲気を作りながらも、
結局のところはソウルの都市で暮す人々の“不安”や“孤独”を描きたかったらしく、
無機質な建物や日本の昔の団地のようなマンション群が、
都市の冷たさや他人への無関心さなどを際立たせてはいるのですが、

何が言いたかったかなどは、ストーリーを理解させて始めて主張できる事。
そのズーッと前の段階でこの作品は落第しているのですから始末に追えません。

ストーリーがわからないうえに、訳もわからず長い2時間強。
もう見ていて苦痛も苦痛
この苦痛が韓国ホラーなのかとイヤミの一つも言いたくなりますワ!
…もう韓国ホラーはしばらく敬遠させていただきましょう。


■苦痛ならこの作品も負けてませんよ!

 
 アミューズソフトエンタテインメント
 箪笥

■過去の記事はこちら
 ●ドーン・オブ・ザ・デッド(【真夏の夜のホラー特集】第1弾)
 ●テキサス・チェーンソー(【真夏の夜のホラー特集】第2弾)
 ●ゴシカ(真夏の夜のホラー特集】第3弾)

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