「テキサス・チェーンソー」
- ポニーキャニオン
- テキサス・チェーンソー コレクターズ・エディション
【真夏の夜のホラー特集】第2弾は「テキサス・チェーンソー」です。
昨日の「ドーン・オブ・ザ・デッド」
に引き続き、
こちらも1974年トビー・フーパーのホラー映画の金字塔「悪魔のいけにえ」のリメイクであります。
「アイランド」のマイケル・ベイ総指揮のもと、往年の名作をリメイクしようという、
その意気込みは買いますがね…。
真夏の夜のホラー特集第2弾
1994年劇場公開作品
監督:マーカス・ニスペル
出演:ジェシカ・ビール、エリック・バルフォー、ジョナサン・タッカー、エリカ・リーセン、マイク・ヴォゲル、他
「悪魔のいけにえ」は今から約20年近く前の高校生の時にビデオで見ました。
当時の友達の家に遊びに行った時、レンタルビデオ店で2本借りたんです。
この作品と「イレイザー・ヘッド」…もう何だかスゴイ組合せです。
「悪魔のいけにえ」を見終わって、さあ「イレイザー・ヘッド」というところで
友達の親御さんが帰って来てしまいまして、
途中まで一緒に見ていたのですが次第に「何見てるの!」という雰囲気になってしまって
いたたまれなくなった私と友達は「イレイザー・ヘッド」の後半を全て早回しで見てしまいました。
何ともバツの悪い経験をしてしまいましたが、
あの親御さんの「何見てるの!」があったからこそ
私と友人は、その後常道を外さなかったのかと思ったりもして…
話が横道に反れました。
「悪魔のいけにえ」は衝撃的でしたね。
チェーンソーを振り回して若者たちを追い駆けまわすレザーフェイスの迫力もすさまじかったですが、
それよりもレザーフェイスに負け時劣らず尋常を逸している
彼の家族たちの存在の方が私にとっては何倍も怖かった。
ちょうど少年の凶悪犯罪が発生すると、
その子供よりそういう子供を作ってしまった親の方に背筋が寒くなるのと同じ感覚ですね。
またトビー・フーパーの演出が、もう雑も雑なんですが、
それが妙にリアルな迫力を産み出していてすごかった。
ラストでレザーフェイスが朝日を浴びながら、大型トレーラーにあっけなく轢かれてしまう
あのあっけないまでの残酷シーンは、今でもはっきりと覚えています。
この傑作「悪魔のいけにえ」をリメイクしようというのですから、制作者側の意欲は買いましょう。
「テキサス・チェーンソー」は「悪魔のいけにえ」のモデルとなったエド・ゲイン事件を再度調べ上げ
実際の事件により近くするなど「悪魔のいけにえ」との差別化を図ろうとはしています。
また尋常を逸したレザーフェイスの家族の他にも、
これまた尋常を逸した警察官や、近所の人々などを登場させ
もうこの街全体の人々が【尋常を逸している】ような雰囲気でゾッとさせられます。
またマーカス・ニスペルの演出もオープニングからショック描写の連続で
上映時間90分強のなか、たたみ込むようにショック描写を連発。
そのテンポはなかなかのものです。
しかし残念ながらオリジナルの「悪魔のいけにえ」には到底及びません。
まず描写が“コナれ過ぎて”しまっていて、あのオリジナルの荒削りの迫力までには到ってません。
オリジナルの方が演出はヘタクソですが、その素人くささが妙な迫力を産んだ稀有なパターンなので
これを超えるというのは、もう【不可能】なことでしょう。
それに「ドーン・オブ・ザ・デッド」のときもそうでしたが、
画面が夜のシーンが多くてボヤケていて見づらいんです。
確かに若者たちの体験する恐怖の一夜を描いた作品だから
夜のシーンが大半を占めるのは当たり前なんですが、
でも画面自体を暗くしてしまう必要まではないはず。
「悪魔のいけにえ」は低予算の作品のため、フィルムも安いものを使ったせいか、
やたらと明るい画面で殺戮が繰り返され、そのザラついた画面がリアルさを産み出していたのですが、
リメイクでは予算もアップし、暗い画面をそのまま暗く描く技術が発達してはいますが、
それが逆にオリジナルが持っていたリアルさを無くしてしまってるんです。
あの朝日を浴びながら半狂乱でチェーンソーを振り回すレザーフェイスに衝撃を受けた身としては、
暗いボヤケた画面の中で殺戮を繰り返すレザーフェイスには、
どうもオリジナル以上の迫力は受けませんでしたね。
■オリジナルはこちら
ハピネット・ピクチャーズ
■過去の記事はこちら
●ドーン・オブ・ザ・デッド(【真夏の夜のホラー特集】第1弾)
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