116. 「カブ」の血はレーサーの血 | 「クラシックで行こう!」

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 2012年、遂にHONDA スーパー・カブ50フルモデルチェンジしました。


HONDA スーパー・カブ50 ( 2012年式 OHC 49cc 3.7ps/7500rpm )

「クラシックで行こう!」-cab2012
(中国で生産されるので「中華カブ」と呼ばれています。)


少し大柄になったので車重30kgも増えてしまいました。


これの前の大きな内容の変化があったのは2007年PGM-FI搭載でした。


HONDA スーパー・カブ50 ( 2007年式 OHC 49cc 3.4ps/7000rpm )

「クラシックで行こう!」-cab2007
環境対策カブでさえ、FI の搭載を必要としたのです。


この前の大きな変更は1964年まで遡ります。


その変更の内容HONDAの全車に及ぶOHV→OHC化でした。


HONDA スーパー・カブC65 ( 1964年式 65cc )

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上に掲げた写真は65ccですが、このエンジンをボア・ダウンして49ccにしたエンジン、C50E(1966年)は

長らくスーパー・カブ50の心臓として発展を続けました。


この前のモデルと言うと、もはや1958年、発表のC100、つまり初代スーパー・カブになってしまいます。


HONDA スーパー・カブC100 ( 1958年式 OHV 49cc 4.5ps/9500rpm )

「クラシックで行こう!」-C100-00

ここで感の良い方はお気付きと思いますが、カブのエンジン出力い方がよりく、その発生回転数

いのです。


これは本田宗一郎がカブを設計するにあたり、2stを避けて4stを採用した事と大いに関係があります。


当時のバイク界で50ccクラスのバイクは皆、2stでした。


それ達と対抗出来る出力を得ようとすると4stでは高回転・高出力型のエンジンにするしかなかったのです。


その結果、初代カブのエンジン4.5psを9500rpmで発生すると言うレーサーの様になりました。


しかも、これは単に出力の発生回転数が高いと言うだけでなく、フライ・ホイール・マス極小とするなど、

高回転維持しなければまともに走らないと言う本物のレーサーの様な特性でした。


これは極初期のタイプである通称「吊りカブ」に顕著に現れていました。


HONDA スーパー・カブC100 ( 1959年式 )

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(上の1958年式よりこちらの1959年式の方が内容的には古い?様に思われます。)


吊りカブ」といわれる所以

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フレームからエンジンに向かって上からハンガーエンジンを吊る様に伸びています。

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この「吊りカブ」こそ、初代にして最速のスーパー・カブでした。


そして、このカブの血がその後のHONDAの名レーシング・マシンに受け継がれていったのです。


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