JJYの報時信号の送出方法 | 池袋駅南口の天文計算

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新規の記事は書きませんがよろしくおねがいします m(._.)m

どうやら一つ前に書いた記事「JJYを受信したい」を間違って削除してしまったようです (^^;;
そんなに実のあることを書いていたわけでもないのでJJYの話はこの記事から始めたことにします。

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まだ受信もしていないのに気が早いのですがJJYの報時信号について調べてみました。と言ってもとても簡単でわざわざ記事を書くほどのことではないのですが....

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これについてはとうぜんNICTの資料があります。

  「情報通信研究機構 - 日本標準時グループ - 標準電波の出し方

これとここからリンクされている図を見ればすべてわかります。時刻を知る上で重要な点だけまとめると以下のとおりです。

0. 毎秒かならずパルス信号が送出される。
1. 秒は各秒のパルス信号の立ち上がり

ただし例外的に毎時15分40秒~15分50秒、45分40秒~50秒の間はJJYのコールサインがモールスで送出されます

パルス信号の立ち上がり」は厳密には「パルスの立ち上がりの55%値(10%値と100%値の中央)が標準時の1秒信号に同期します」と定義されます。
精密な時刻測定では問題になりそうですが、これはオッシロスコープでもないと検証のしようがないので将来の課題にします。
それから念のために書いておくとJJYは電波形式がA1となっていますが電波が断続しているわけではありません。送信出力10%と100%で信号を送出しています。標準電波だからあたりまえですが。

2. 59秒から10秒毎にパルス幅0.2秒のポジションマーカーが送出される。
3. 毎分0秒にパルス幅0.2秒のフレームマーカーが送出される。

0.2秒幅のパルスが送出されるのは2.、3.のみです。したがって0.2秒幅のパルスが2回続いたとき後ろのパルスの立ち上がりが分を示します

また、JJYのコールサインが送出されるときでも2.、3.は変わりません

けっきょくJJYの信号を1分間以上記録すれば少なくとも掩蔽が起きた時刻の秒は確実にわかります。掩蔽の予測時刻が実際と1分30秒以上違うというのは考えられないのでこれで掩蔽の時刻を正しく知ることができるはずです。

なお、マーカー以外のパルスは0.8秒幅あるいは0.5秒幅のいずれかです。0.8秒幅は“0”、0.5秒幅は“1”を示しそのときの年月日時刻がデコードされていますのでまあその気になればここから年月日や時刻を読み取る(聞き取る)ことも可能でしょう。

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いくら正確でも停波していたらお話にならないので停波の状況も調べてみました。

1. 計画的な停波は日中に行われるようです。夜間行われた例は見つかりませんでした。

2. 機器故障や停電による停波がまれにあります。これはいつ起きるかわかりませんが....

3. 雷害回避のための停波は機器故障や停電による停波よりずっと多いです。
  これは夜間は少ないようですがないわけではないです。

もし二波とも受信できるのでしたらいつでも切り替えられるようにしておいた方が安全でしょう。

また1.(とおそらく3.も)については予告がJJYの報時信号(タイムコード)の中でも行われるはずです。ただこのあたりになると報時信号をデコードエンコードできるようにしておかないと人力ではその場で判別するのは難しそうです。“訓練”すればできそうな気もしますが....

(続く)

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