メロキュン企画第九弾‼前編 | みむのブログ

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こちらはス/キップ/ビートの二次小説ブログです。CPは主に蓮×キョ-コです。完全なる個人の妄想から産まれた駄文ですので、もちろん出版社等は全く関係ありません。
勢いで書いていますので時代考証等していません。素人が書く物と割り切ってゆるーく読んでください。

メロキュン企画第九弾。
バレンタインカフェオープンでございます‼

バレンタイン・ホワイトデー連動企画
メロキュンカフェバー☆オープン!

フォンダンショコラ
~甘さも苦さも君次第~

で。ちょっとだけ第七段の甘甘話とリンクです。
自己満なリンクです。

危ない危ない。バレンタイン終わっちゃいますよ。

では、どうぞ~






ーーー彼女がおかしい。



なんでもない日の夕食の時間。
少し時間は遅いけれど、鰆の西京焼きに里芋の煮物、お味噌汁、野菜不足を補うためか、グリーンサラダと、一通り揃ったテーブルの上。
鰆をつついて口に運びなからもジッと彼女の顔を見ているのに、彼女の視線と会うことがない不思議。
どこかぼんやりとした表情で、サラダのアスパラを口に運ぶ彼女は、心ここにあらずなのだろう。ドレッシングをかけわすれている。

はて、彼女が放心する様なことが何かあっただろうか?

考えながら味噌汁のお椀を手にして、驚いた。
珍しい。ネギが芸術的につながっている。
思わず彼女の指を確認する。よかった。包丁で指を傷つけたりはしていないようだ。

これはいよいよ何かある…。

うむむと唸った蓮が、試しに声をかけてみる。

「今日はいい天気だったね」

「はい…」

今日は雨である。

「帰ってくる時に、猫が逆立ちした歩いているのをみたよ」

「はい…」

「最近、社さんがチャネリングにはまってるんだって。最上さん知ってた?」

「はい…」


うーん
重傷だ。

味噌汁を飲みながら彼女を観察する。

まず思いついたのは、彼女の現在の仕事。今は何の仕事をしていたかな。
確か、二時間仕立てのミステリだったはず。探偵に依頼をする旧家の令嬢役だとウキウキしていて可愛かった。

可愛かったなぁ。
目をキラキラさせて。頬が赤らんで。
思い出してほんわりした頭を、いやいやと切り替えた。

違うか。役の事を考えている彼女の表情はもっとクルクル動いている。
これはどちらかというと、『停滞』だ。

蓮は首を傾げながら、サラダにドレッシングをかけた。ついでに彼女のサラダにもかけてやる。

ふむ。

蓮は心の中で頷いた。
仕事の線はないかな。
ポリポリとアスパラを齧りながら、確定。


では、次。
彼女の親友であるところの琴南さんに何か言われるなりされた。

うーん。

最後のご飯を口に放り込んで、考える。

いや、ないな。

彼女が彼女に何か言われて凹むとしたら、こんなに静かではないだろう。

それはもう、彼女の彼女に対する思慕はとんでもないので。

一言「絶交よ」と告げられたら身動きが取れなくなり
一言「嫌い」と言われたら、この世の終わりの様に泣いてすがるだろう。

なにも手をこまねいてぼんやりすることはない。

なんだか自分に置き換えてしまって考えて、蓮はちょっと凹んだ。

琴南さんの線、却下


…では、あの人か。

コポコポと食後のコーヒーを入れながら、思い浮かべたのは我等か上司、絶対的権力者、歩く災害にして愛の伝道師。

蓮は盛大に顔をしかめた。

…厄介だな。それが一番厄介か。

彼女の幼馴染の線は、最初から却下している。あれを相手にして、怒り狂う事はあっても、放心はなかろう。

社長に電話するほどでもないかな。

コーヒーカップを彼女の前に置いて、わざと耳元で言った。

「もう冷めちゃったね。お皿、下げちゃおうか」

彼女が文字通り飛び上がった。