作 横山拓也(売込隊ビーム)
演出 上田一軒(スクエア)
出演 夏、原真(水の会)、緒方晋(The Stone Age)
AI HALL 13日14:00開演 自由席(2列目で観劇)。
あらすじ
舞台は東京近郊のとある町の屠場。
その屠場は小規模ながら腕のいい職人を抱え、
ブランド豚の加工を請け負っていたある日の午後、
職人達の休憩室も兼ねた研磨室は予期せぬ来訪者を迎えていた。
生体が物体へと次々と変えられていく建物の中、
緊張感なく交わされる会話。
ある事件をきっかけに突然、死のイメージが膨張し始める。
(真夏の極東フェスティバル HPより)
特別コメント(も引用)(^_^;)
北村想
子供の頃、近所に牛飼いのオジサンがいて、ヤンチャをしてはよく叱られた。
牛を食肉にスルためには仔牛のあいだに去勢をする必要があるらしく、
仔牛の睾丸が切りとられるのをみたことがある。
特にショッキングなことでもなかったのが不思議なのだが。
『エダニク』は食肉工場を舞台にしているが、
これは構造としては原発の作業場と同相だ。
むしろそんなふうに想像力を働かして読んだほうが面白いにチガイナイ。
マキノノゾミ(第15回劇作家協会新人戯曲賞 講評)
最終審査員をさせてもらったのは三回目だが、
今回がもっとも粒がそろっていたという印象を持った。
少なくとも今回の最終候補作は、どれも面白く読んだ。
(中略)
受賞作の横山氏の「エダニク」については満点だと考える。
三人の登場人物のキャラクターと作品世界のディテールがしっかりしているし、
終盤のヒートアップのさせ方も、エピローグも過不足なく決まっている。
何より、きちんとしたユーモアがある。
一読して「これ以上何を望むというのか」と思った。
再読してもその感想は変わらなかった。
もちろん上を望めばきりがないだろうが、
それはもはや個々の好みの領域でもあって、
およそ新人戯曲賞の応募作品としては、
これはもうパーフェクトではなかったかと思う。
真夏の極東フェスティバル、「エダニク」。
(後日追記)