「パソコンのどんなことを教えてくれるの?」という生徒さんの声から、

もう14年経ちます。

気が付けば、今までの時間があっという間に過ぎ去ったような気がします。

あの頃の私はシングルマザーでひとり息子を一人で養っていくのが精いっぱいでした。

近くに自分の親はいなく、一人で息子を育てると決めたこともあり、他の子どもたちのことなんて

考える余地はありませんでした。

パソコンを子どもたちに教えるというのはまったくイメージしていませんでした。

しかも障害を持つ子どもたちでした。私は生まれつきまったく耳が聞こえない聴覚障害者のため、

いろんな子どもたちとのコミュニケーションが取れるという自信はありませんでした。

逆に子どもたちと向き合うと、パワーをもらっている自分がいました。

そんな中、任意団体としてマミーが設立しました。2年後、NPO法人として認定されるまで

道は険しかったのですが、同時にこの体験は私を育ててくれました。

代表者として、NPO法人を支えていくけれども、

手話通訳がないと対応できない、電話が取れないわ、

しかも手話通訳は私が雇用側ということもあり、派遣ができない・・・・

さまざまな壁にぶつかってきました。凹んでいた日々が懐かしく感じます。

起業家は改めて孤独なんだということを味わいました。

それでも続けてこれたのは障がい児たちという存在がいたからなのです。

子どもたちの声として、私にできることがあったら動きます。

子どもたちの声として必要がなくなったら、私はこの仕事をしていないと思います。

いつまで持つか・・・・わかりませんが、できる限り、力を発揮してみようと

思うこのごろです。

そして、こんな私を支えて下さった友人や知人に感謝感謝いたします。

聴導犬レオンにも感謝しなくちゃ!

記事の内容は下記の通りです。

<福祉・保健><子ども・教育>http://mainichi.jp/articles/20160523/ddl/k27/040/276000c

 障がい児向けのパソコン教室や学習塾などを開きながら、聴導犬への理解を広めているのがMAMIE(マミー)だ。

 理事長の安藤美紀さん(46)はまったく音が聞こえない聴覚障がい者だが、鹿児島県の普通高校に進学した。漫画家を目指し、17歳で、少女漫画雑誌「りぼん」新人漫画賞・努力賞を受賞した。編集者から「恋愛の物語を」と助言されたが、高校生がどんな会話を交わしているのか分からず、要求に応えられなかった。コメディものを目指し、東京の短大進学後も、出版社に作品を何度も持ち込んだが、採用されず、22歳で漫画家の道を断念した経歴を持つ。

 その後、職業訓練センターで学び、ワープロやパソコンの技術を身につけた。キーパンチャーとして大阪の会社に採用されたが、子育てのため退職するなどした。

 転機は、在宅でホームページの制作を請け負う仕事などをしていた2004年夏だった。

 耳や手足も不自由で寝たきりの男子中学生(豊中市)の母親から「息子にパソコンを教えてください」と請われた。しかし、「自分は声が聞こえず、あちらはたくさんの障がい。難しい。断ろう」と考え、自宅に直接断りに行った。顔を合わせた中学生は喜びの表情を見せ「どんなことを教えてくれるの」と期待を膨らませた。心動かされ、以降、当時は重かったノートパソコン2台を抱え家庭訪問が始まった。

 聴覚などの障がい者は、電話を取れないなど会話が難しい。このため、就活では、パソコンのスキルの上達が採否のカギになることが多い。やがて、“パソコン先生”の評判が広まり、他の障がい者からも求められるようになり、04年8月、任意団体のMAMIEを設立した。

 生徒が増え、出会いの場にもなると考え、06年から「豊中市立障害福祉センターひまわり」で「障がい児パソコン教室」を開いた。聴覚障がい、小児まひ、車椅子に乗った子ら7人が生徒になった。

 現在、名称は「マミー学園」。8歳~19歳の聴覚障がいや発達障がい、自閉症、知的障がいなどの18人が学ぶ。奈良県から通う子も。授業料は1カ月5回で5000円~7000円。10歳から学んだ聴覚障がいの女子が今、大学生となり、授業の補助をしている。

 聴導犬と聴覚障がいの理解者を増やすことも活動の柱だ。聴覚障がい者は、お湯が沸く音、電話の音、目覚まし時計、宅配便の訪問時などの呼び鈴、自動車や自転車の音などを認識できない。聴導犬はそれらの音を聞くと鼻先で体を突いて知らせる。特に、電子レンジや炊飯器、洗濯機などは最近「終了しました」と音声を発する仕組みが多い。危険を察知する役目も果たす聴導犬は家族と同様の存在だが、同伴を断る店もあるという。

 安藤さんは聴導犬について講演するほか、封印していたイラストの技術を2年前から駆使して、パソコンスライドや、4コマ漫画などの冊子を作っている。

 「障がいがある子が、みんなと同じように勉強ができる環境になってほしい。障がい児は、サポートされるのが当たり前と考えず、少しでも自立できるように道を切り開いてほしい」と安藤さんは願う。【大島秀利】

MAMIE(マミー、NPO)
名称由来:フランス語で「大切な人」の意で、そんな人のための場を目指している。

所在地:大阪市淀川区西中島3-20-8新和ビル9階

連絡先:電話06-6885-4141

ホームページ:http://mamie.jp