【信長ガイドブックを攻略せよ!】 (うつけものコース)
『え?信長帰ったの…?』
大蛇のウワサを聞いた信長は、(あまが池)を調べるだけ調べて、とっとと清洲に帰ってしまいました。
これにあっけをとられたというか、悔やんだ主従がいました。
佐々成政と家臣・井口太郎左衛門です。
どういうことか?
じつは(あまが池)がある比良は、佐々成政の領地。
しかもこの頃、成政が信長に逆心を抱いているとウワサがありました。
大蛇探しとはいえ、信長が比良にやってくる…
大蛇探しはたてまえで、ひょっとして、逆心のウワサのある自分を成敗するために比良に来るんじゃないの?
信長を恐れた成政は、家臣の井口太郎左衛門と話し合い、信長を暗殺する計画を立てます。
段取りは次ぎの通り。
(1) 信長は大蛇探しのついでに、成政の居城・比良城を見学(偵察)に来るはず。
(2) その時、井口太郎左衛門が、船に乗って城の【かけり】から案内すると申し出る。
(3) 井口太郎左衛門は脇差などを預けて信長と船に乗る。
(4) 船を漕ぎ出してしばらくすると、隠していた小脇差で何度も信長を突いて、組み付いたまま川へ飛び込む。
この計画ですと、井口太郎左衛門は信長と刺し違えるつもりだった様です。
で、いよいよ信長がやってきたと思ったら…
大蛇探しだけで帰ってしまった…
このエピソードは信長公記に記載されているもので、著者・太田牛一は、
『総じて一城の主ともある人は、万事に注意して、油断をしてはならないということである』
と締めくくっています。
そんな事があった比良城ですが、現在では光通寺というお寺になっています。
信長公記を読むと、比良城には船で移動する【かけり】という場所があることが記載されています。
この【かけり】とはなんの事か現在でも不明です。
船を浮かべることができる → 水掘の様なものなのでしょうか?
しかし現在では周辺は閑静な住宅地になっており、掘も無ければ、水に関する遺構もありません。
ひょっとしたら近くに【新川】という川が流れていますので、城と繋がっていたのかもしれませんね。
そして光通寺の敷地内に、【佐々成政城址】という石碑が建っています。
比良城ということですね。
この石碑以外に比良城の遺構はありませんが、尾張に残る数少ない成政を偲ぶ史跡です。
蛇池とセットで訪れてみたい【現場】です。
『織田信長ガイドブック (うつけものコース)』レポまとめへ戻る
☆ メルマガ登録はコチラ !
☆ 城・史跡レポをまとめてみました
☆ 甲冑出陣レポ
☆ この書籍を斬る!
☆ 愛知のグルメ
☆ 愛知おススメのおみやげ
☆ プロフィール