☆ 腸内細菌の 深~ぃ おはなし<Ⅱ> | mikapapaのブログ

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 前稿では腸内のアウトラインを掘り下げました、今回は、腸内細菌と人間の生命活動との関係が、人体に及ぼしている作用について少し詳細に検証してみます。


〔脂質代謝への関与〕


 摂取したコレステロールや中性脂肪 (トリグリセライド) などの脂質の消化、吸収をコントロールしたりして、余分な脂質の排泄に深くかかわってきます。


〔腸内PHの調整と腸のぜん動運動の活性化〕


 腸内細菌の中でも特に腸内の乳酸菌が産出する ” 乳酸 ” によって腸内のPH値を弱酸性に保持することで、病原菌の増殖を防いだり、腸を刺激してぜん動運動を活発化させて消化を助ける働きをします。


〔ホルモンやビタミンの産生に関与〕


 腸内細菌は副腎皮質ホルモンや、性ホルモンなどのステロイドホルモンやビタミンB群、ビタミンKなどのビタミン類の産出に深く関与し、人間の体内調節に大きく影響を与えています。


〔免疫系の賦活〕


 腸内細菌が人の消化管に定着することによって、免疫系が刺激、活性化され、いろいろな異常に対して抵抗したり、排除する力が上昇します。


〔病原菌や有害菌の感染防御〕


 腸内細菌が消化管に定着し、璧面を覆うことによって、外部から侵入してくる病原菌や有害菌の定着と増殖を防ぎ、感染から私たちを守ってくれています。


〔消化・吸収・代謝への関与〕


 タンパク質や糖質などを分解したり、私たちの消化系では消化できない繊維質の一部を分解して消化を助けるとともに、同時に私たち人の健康維持に関与する物質を産出しています。


〔各種臓器の機能の活性化や保全に関与〕


 腸内細菌の中には、肝臓や腎臓、さらには脳などの重要な臓器の働きの活性化や保全に大きな役割を果たしている菌種もいます。


〔有害物質や発癌物質の分解、排泄〕


 腸内細菌の中には、有害物質や発癌物質を分解したり、排泄を促進する働きをもった菌種が存在していることも確認されています。


 等々、多くのことが解明され、今後も、さらに多くの腸内細菌の持つ、重要な働きが明らかになっていくことが期待されています。


<食事と腸内細菌>


 日常の食事内容によって賜内細菌の模様は変わってきます。
 ご飯、芋などの炭水化物を豊富にとることで善玉菌は増加し、一方、肉のたん白質、糖質を多くとると悪玉菌が増加し、善玉菌が減少してしまいます。
 野菜の食物繊維は善玉菌を増やします。


<腸の老化現象>


 乳児ではビフィズス菌が95%以上を占めますが、離乳期以後は悪玉菌、日和見菌が徐々に、増加してきます。

 40歳代までは善玉菌と悪玉菌のバランスが平均的に良い状態で維持されますが、高齢とともにビフィズス菌などが減って、ウエルシュ菌や大腸菌などが増加してきます。

 ウエルシュ菌などが産出する腐敗物質のため高齢者の便は臭気が強くなります。
 健康な高齢者ではビフイズス菌が多めで維持されています。


<癌の発症>


 大腸癌の発症には食物と腸内細菌が大きく関係してきます。
 食物繊維の不足と肉のとり過ぎは悪玉菌を増加させて、ウエルシュ菌などが消化されなかった肉から発癌促進物質を作ります。

 脂肪摂取と乳癌の発症の間にも一部の悪玉菌が関連してきます。
 一方、乳酸菌は発癌物質を分解する働きを持っています。


<免疫の機能>


 乳酸菌が腸管免疫系の細胞を刺激して、免疫力を高め病気の予防に役立っています。
 最近、小腸の乳酸桿菌には免疫力を高めるインターフェロンを増やす働きがあることが分ってきました。ストレスや体力の衰えた時には悪玉菌が優勢になり、免疫力か低下します。
 細菌バランスの崩れが発癌や感染に対する抵抗性に影響してきます。


     【有害菌】              【毒性物質の産出】


 ★ バクテロイデス       フェノール  (発がん)皮膚がん
 ★ カンピロパクタ       インドール  (発がん)白血病
 ★ ウエルシュ菌        硫化水素   (呼吸毒)肝臓疾患
 ★ ピロリ菌           チラミン    (血圧上昇作用)
 ★ ブドウ球菌         アンモニア  (肝性昏睡)肝疾患
 ★ 大腸菌           ニトロソアミン (発がん)
 ★ プロテウス         大腸 ・ 直腸がん


※ 腸の働きと密接に関係する、善玉菌と悪玉菌について理解することで日常の、食生活改善にも応用できますのでぜひ活用してください。