☆ 腸内細菌の 深~ぃ おはなし <Ⅰ> | mikapapaのブログ

mikapapaのブログ

季節の移り変わりや日常の気になる話題等、分野を問わずお役に立てる記事をつぶやいていきます。
あなたのお心に素直に届くことを願って!

質問やコメントは大歓迎です、お返事は極力お返しいたします。

 『腸内細菌』 については、それがどんな種類のものなのかを正しく把握してる人は少ないと思います。


◇ 『腸内細菌』の深い知識


 人間の体内には、食道 ・ 胃 ・ 小腸 ・ 大腸 ・ 肛門に至る、全長約10m、総面積はテニスコートー面分の消化管の中には微生物が潜み、腸の中にいることから 「腸内細菌」 と呼ばれています。


小腸の長さ      全長6m
表面積         テニスコート一面分
表面積細胞の寿命  2~3日
小腸の働き      1日約8㍑の消化液を分泌3~4時間で栄養を吸収

大腸の長さ      全長1.5m
大腸の働き      主に水、電解質を吸収、便の形成、貯蓄、排泄


 腸内細菌環境は肉眼では見えない 「ミクロ」 の世界であり、腸内細菌の種類は約 100種、100兆個、研究機関によっては約 300種、100兆個ともいわれ重さにして約1kgの細菌が腸管の壁をビッシリと覆い凄み着き、細菌は小腸下部から多くなり始め、大腸で膨大な数になっています。
 腸内細菌は消化や便通のみでなく、健康や病気と重要なかかわりをもってきます。


 「腸内細菌」は私達が毎日、食べる食物を栄養源、エネルギー源としていると同時に、 「腸内細菌」 が産出する物質が 「健康維持」 に大きく関与しています。


 また、「腸内細菌」が合成に関与しているビタミンもあります。


★ 『善玉菌』と『悪玉菌』ってなに?


 腸内細菌は多種多様の酵素を持っていてそれらは、有用、有害な多くの物質を生成しています。


 有害な悪玉菌は大腸菌、ウェルシュ菌などの腐敗型細菌群で、腐敗菌はたん白を分解して有害物質を産出して、これが便秘や下痢を起すだけではなく、老化や癌にも関係しています。


 有用な善玉菌はピフィズス菌、乳酸桿菌などの発酵型細菌群で、炭水化物を発酵させて乳酸や酢酸などを作って腸内を酸性に保ち、酸に弱い悪玉菌の増殖を抑えます。


 善玉菌は腸の動きを良くして消化、吸収を改善し、さらに免疫、がん予防などに関連します。


 その他、腸内細菌には環境によって善玉にも悪玉にもなる日和見菌があります。
 各細菌の勢力バランスの変化が体に種々の影響を与える結果に結びつきます。


◇ 腸内細菌の持つ役割


 腸内細菌の中には善玉菌・悪玉菌・日和見菌などが色々な物質を産生しながら増殖しては排泄し、一定の菌数を保ちながら人間の生命活動に対して以下のような 「重要な働き」 をおこなっています。


 (1) 消化・吸収機能を高める。
 (2) 脂質の代謝を活性化する。
 (3) 腸内pHの低下。
 (4) 代謝系を活性化する。
 (5) 抗がん作用をする。
 (6) 感染防御をする。
 (7) 免疫力を活性化する。
 (8) 有害・発がん物質の分解。
 (9) 臓器の酵素活性をする。
 (10) 重金属の排泄。
 (11) 腸のぜん動運動を活性化する。
 (12) 脳の神経伝達物質を活性化する。
 (13) ビタミンを合成する。
 (14) ホルモンを産生する。
 (15) ヒト由来の乳酸菌を増殖して、有害菌の増殖を抑制する。


◇ 腸内細菌のバランスを崩すもの


 最近では、水も悪く、野菜も農薬が多く含まれて、肉や養殖魚は病気予防の 「抗生物質」 が含まれているものも多々あり体内環境を乱す大きな要因になっていることも否めません。


 近年、日常的に欧米風の食生活、食品添加物や加工食品などが数多く、それらが体内に入ることで、腸内細菌 (善玉菌) が減り悪玉菌 (有害菌) が優勢になってしまい腸内細菌のバランスが崩れています。


 またストレス、長期間の薬剤服用、タバコ、加齢、肥満、運動不足などが要因となって重なり腸内の有用菌 (乳酸菌) が減少して、有害菌や病原菌などが増加すると腸内菌叢のバランスが崩れて、通常の状態とは異なる菌叢が生じ、次第に体調変化が起こり次のような状態がおきます。


★ 異常菌叢の原因と疾病


             <菌叢バランスが崩れる原因>


★ 食生活 ★ 疾 病 ★ 加 齢 ★ ストレス ★ 抗生物質、薬剤の投与 など


       <菌叢バランスの崩れが発症原因となり得る症状>


◇ 腸内菌叢の変化


★ 高脂血症 ・ 動脈硬化 ★ 高血圧 ★ 癌 ★肝臓障害 ★アレルギー ★ 日和見感染 など


◇ 有害菌(悪玉菌)って


① 腸内腐敗

 腐敗菌が増殖して、タンパク質を分解してアンモニア・硫化水素・アミンなど悪臭のある物質を作り出します。
 
② 有害物質の産出

 アンモニア・硫化水素・インドールなどの有害物質が作られます。


③ 発がん物質の産生

 ニトロソアミンやトリプトファン代謝物などの発癌物質が作られます。


④ 下痢・便秘

 病原性菌の侵入や有害性菌 (悪玉菌) の異常増殖が起こり、これを排泄する現象として下痢が起きます。
 有用菌 (善玉菌) の減少によって腸のぜん動運動が不活発になり便秘がおきます。


⑤ 病原菌の増加

 菌叢が異常になり、有用菌(善玉菌)が減少して、通常は少数の有害菌(悪玉菌)が増殖して感染症などを引き起こすことがあります。


              【有害菌】


         ★ バクテロイデス
         ★ カンピロパクタ
         ★ ウエルシュ菌
         ★ ピロリ菌
         ★ ブドウ球菌
         ★ 大腸菌
         ★ プロテウス


            【毒性物質の産生】


          フェノール   (発がん)皮膚がん
         インドール   (発がん)白血病
         硫化水素   (呼吸毒)肝臓疾患
         チラミン    (血圧上昇作用)
         アンモニア   (肝性昏睡)肝疾患
         ニトロソアミン (発がん)

◇ 大腸・直腸癌


★ 腸内細菌環境を正常化するには


 上記の説明んのように、崩れた腸内細菌叢を元の健康状態に戻すには、どんなに栄養素の高いものを口から入れても 『腸の受け皿』 が悪ければ無駄になります。


 健康食品や栄養補助食品などを摂取する前にするべきは、『受け皿』 である 『腸内細菌』 の 『バランス』 を良くすることが最も必要で大切であり、腸内細菌の良いバランスの維持、つまり善玉菌を増加して悪玉菌を減少させるには、肉の摂り過ぎ、野菜不足傾向の食事、は良くない条件です。


 一般的に和食は発酵型菌を活発にしますし、最近、ビフイズス菌を増やすオリコ糖が注目されています。


 オリゴ糖は消化されず大腸に達し、ビフイズス菌の餌になります。

 オリゴ糖は、ごぼう、アスパラガス、玉ねぎ、大豆、蜂蜜に多く含まれ、納豆、ヨーグルトの発酵食品も効果的です。
 ストレスや暴飲暴食で腸内細菌のバランスが崩れるので要注意です。


※ 蛇足ですが、ご自身の体調はご自身が一番わかることなので、じょうずにより良い管理をすることが一番望ましいことです。