カーニバルって何? | * たびばな * 旅好き女子のあちこち歩き

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主に鉄道でヨーロッパ34カ国、世界57か国をぐるぐると駆け回り、とにかく歩き回った、充実した旅の記録です。いろんな人に出会ったり、いろんなものを食べたり、旅のワクワクを少しでもおすそ分けできれば嬉しいです。持ち物やルート、予算についても情報いっぱい。


「スイスで思いがけずカーニバルに遭遇して」 なんて話をすると、「カーニバルって?」 と聞かれることが何度かあって。 そのたびに説明していたんですが、・・・「カーニバル」 って、意外ときちんと説明するのが大変なんですよ。


ちょっとここで、説明を試みてみますね。



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キリスト教の文化が根付いていない日本では、単にお祭りやパレードと混同されていますが、基本的には、カーニバル」 とは、「謝肉祭」 のこと で、もとはキリスト教の宗教的な行事です。


主にカソリックの地域では、キリストが山にこもって40日間の断食をしたことにならって、復活祭 (イースター) の前の40日間に肉やお酒を断って節食をする習慣があるのですが、その期間 (レントと呼ばれる) に入る直前に、その後の40日に食べられなくなる肉や卵を食べて飲んで騒ごう、という主旨で生まれたのが謝肉祭。


カーニバルの語源はラテン語の carnelevale (肉を絶つこと) から来ているし、ドイツやスイスで使われている Fastnacht / Fasnacht (ファスナハト) は、Fast (断食) の Nacht (夜) という意味で、断食前の前夜祭という感じ。


とううことで、流れとしては、こういうことになります。↓

謝肉祭 (カーニバル) ⇒ レント (断食) ⇒ 復活祭 (イースター)


(イースターは毎年新月を基準に日付が決まる移動祝祭日なので、イースターから逆算するカーニバルも、毎年日程が変わります)。



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ただし、最近では宗教的な意味は薄れて、単に娯楽の少ない冬の楽しいお祭り、という感じになっている感もあります。 (わたしの参加したスイス、ベルンのカーニバルははまさに楽しいお祭りで、宗教色はまったくありません)。



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・・・というか、むしろ、もともとこの時期のお祭りの習慣はキリスト教より前からあって、ゲルマン民族の春の到来を祝う祭りや、豊穣を祈る悪魔祓いの行事から来ています。キリスト教が後付けで意味を付加したというのが本当。

なので、単に楽しいお祭り、ということでも間違いではないのです。


仮装をしたりお面をかぶるのも、もとはこの 「悪魔

祓い」 の行事の流れ。

(日本で言うところの、“なまはげ”のイメージ。スイスのバーゼルのカーニバルは今でもこの意味合いが色濃く、参加者達はみんな小鬼のような仮装)。


そこに、中世以降、紳士淑女がはめをはずすのに素性がばれるとマズイというので仮装や仮面をつけて参加した仮面舞踏会のイメージなどが重なり、しだいに今のような派手なカーニバルが形成されたのではと思われます。



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ちなみに、プロテスタント (英国国教会) のイギリスには、派手なカーニバルがないかわりに、レントの時期に食べられなくなる卵を使い切るための 「パンケーキ・デイ」 があります。・・・地味。