添い寝してくれる恋人がいなくても。 | 世界を旅するラブレター

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「アラサー・独身・彼氏ナシ」現代女性の三重苦を背負ったバックパッカーが、さらに「住所不定・休職」をステータスに加え、世界一周に旅立ちます。

タシデレ!(こんにちは)

 

文章からアラフォー臭がすると言われた、アラサー女のミギー(31)です。

 

日本にいると実年齢よりも老けてみられるので

「若く見られるほうがいいのになー」と思っていました。

 

が、

 

海外だと日本人は実際よりだいぶ若く見えてしまうらしく

ウキウキで声かけてきた男性に年齢を教えると

「31歳か…」と意気消沈されたりするので、どっちもどっちです。

 

過不足なく生きていけるのが一番なんじゃないかと思ってます。

 

 

 

そんな年齢話なんてどうでもよくなってしまう

聖地カイラスでの巡礼3日目の話をしましょう。

 

10月20日の朝。

 

カイラスへ来る途中、積雪で道が通行止めになって2日間ロスした影響で

我々に残された時間は、今日と明日の2日間だけ。

 

10月21日にはチベット自治区からネパールに抜けないといかんのです。

 

ガイドのノルブから電話があり

「また雪が降りそうだから、できるだけ早く戻ってきてほしい」と言われていたので

われわれはポーターのモモくんと朝6時半に待ち合わせして朝食をとり、

7時にはズドゥル・プク・ゴンパを出発する予定でした。

 

しかし、時間になってもポーターのモモくんが来ない。

 

待てど暮らせど、姿は見えず。

 

どうしたんだろう、いつも時間前には来てるんだけどな。

 

まさか急に嫌気が差して、先に出発してしまったのだろうか。

いやいや、モモくんはそんな子じゃない。

 

でもこれ以上待っている猶予はない。

なにしろ、今日は3時間歩いてタルチェンまで戻ったあと

車で8時間かけてサガの街まで行かないと

明日中にカトマンズに戻れなくなってしまうのだ。

 

とはいえ、何かあったのかもしれないので

わたしがモモくんを探してから追いかけることにして

ミサには先に出発してもらった。

 

わたしは10日ちょっと前までムスタン王国を歩き回っていたせいか

知らぬ間に経験値と体力がアップしていたらしく

ふつうのトレッカーより、だいぶ早く歩くことができるようになっていた。

 

ザンスカール・トレックのときはツラくて情けなくて泣いてたくせに、

人間って、やれば成長するもんですね。

 

 

まだ薄暗く、音のないカイラス。

 

時計のうえでは7時だが、

体感時間はまだ早朝5時くらい。

 

チベットの時間が早いのは、

無理やり中国と同じ北京時間にされているからだ。

 

地面が凍っている。

 

10月のカイラスは寒い。

動き回っていないと自分も凍ってしまいそうだ。

 

ダウンジャケットを着て、フリース帽をかぶり、鼻までマフラーで覆い、

手袋をして外に出る。

 

モモくんはどの部屋に泊まっているのだろうか。

きっと個室じゃなくて食堂とかに寝ているはずだ。

 

そう思って、人の起きた気配がある食堂から順に声をかけてみる。

 

1軒目、いない。

あっちの食堂じゃないか?と言われる。

 

2軒目、いない。

むこうの食堂だと思うぞ、と言われる。

 

「ホントにどこ行っちゃったんだろう…」

と途方に暮れていたら

3軒目、最後の食堂から

寝ぼけ眼のモモくんが出てきた。

 

わたしの姿をみとめると、彼は気まずそうな顔をした。

 

なんだよー!

ただの寝坊じゃないかー。

 

まだ完全に起きてない表情のモモくんと、

足早にズドゥル・プク・ゴンパをあとにします。

 

 

右手のステッキで歩きに勢いをつけながら、

左手で数珠をたぐりながら歩く。

 

 

終わってしまうのが惜しいくらい、コルラはすばらしい時間だった。

 

この道を歩いていることが、たのしくて仕方なかった。

 

不毛の大地を鮮やかに彩るタルチョを見ると、安心した。

 

ここには、しあわせを願うひとがたくさんいる。

 

びっしりとていねいに彫り込まれたマニ石の数々。

 

なにもかもが、澄んでいる巡礼路。

 

コルラ初日にいっしょにお昼を食べた、チベタンの家族と再会。

 

「オムマニペメフム(真言)」や「キキソソラギャロ(神に勝利を)」を

知っているよ、と言うとみんなは「そうか、そうか」とうれしそうに笑っていた。

 

 

数珠に連なる108個の玉を

1個ずつ祈りながら引き寄せて歩いたこのコルラも今日で最後。

 

 

長い間、焦がれ続けてきた場所にたどり着けたこと、

そして、それは自分ひとりでは決して成し得なかったことに

何度も何度も繰り返し、感謝しながら歩いた。

 

 

ことばが通じないわたしたちを、きもちで精一杯世話してくれたモモくん。

 

許可証ナシでコルラすることを許してくれたガイドのノルブと、ドライバーのダワさん。

 

ひとりじゃビザが取れなかったとき、いっしょにチベットに行くと決断してくれたミサ。

 

長旅に出たいというワガママを受け入れてくれた仕事仲間。

 

いつも旅の安全を願っていてくれる家族、友だち。

 

 

わたしは、しあわせだった。

 

これからは

たいせつなものを、

たいせつにして生きていこう。

 

たいせつなものを守れるように、

もっとやさしく、強くなろう。

 

 

出発の街、タルチェンに戻ってきた。

 

最後に後ろを振り返ると

カイラス山と目が合ったような気がした。

 

 

I’m still alive , and i love u.

 

 

読んでくださりトゥジェチェ!(ありがとう)

 

次回、チベット編最終回の予定です。

よろしければ、また読みにきてやってくださいな。

 

 

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犬顔男子の顔をした抱き枕型の湯たんぽがあったら

添い寝してくれる恋人がいなくても、ぽかぽか寝られて解決じゃね?

自分ったら天才じゃね?と思ったんですが、

朝起きたら彼が冷たくなっているなんて、とんだホラーなんで

やっぱり生身がいいなーと考えたりしているミギーに

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