極北で (新潮クレスト・ブックス)/ジョージーナ ハーディング
¥1,995
Amazon.co.jp

閉ざされた極北の地で一人冬を越すトマス・ケイヴ。
極限状態の中、時に思い出の中の幻想にとらわれ
必要最低限の狩りをし、誰もが不可能と思っていた
越冬をなしとげる。

人はなぜ大自然を土足で踏み荒らすような行為を
してしまうのか。なぜやめないのか。
ふと考えさせられてしまった。
決して明るい話ではないし、
正直わくわくする展開でもないのだが
根底に流れる美しい流れのようなものが感じられる。
読んでよかった作品。

内容(「BOOK」データベースより)
1616年夏、北極海。
イングランドの捕鯨船が帰国の途に着こうとしていた
。トマス・ケイヴという名の寡黙な男を一人残して―。
明けない夜。うなりをあげる吹雪。闇を染めるオーロラ。
雪と氷に閉ざされた極限状態のなか、
ケイヴは、日々のできごとを克明に記し、
生きるために獣を狩り、思い出深いヴァイオリン
をアザラシたちにむけて奏でる。
ケイヴはなぜ、極北の地に残ったのか。
底知れない哀しみを抱えた男の越冬と魂の救済を重ねあわせた、
胸をゆすぶる物語。
英国人女性作家が400年前の航海日誌と豊かなイマジネーション
で紡ぎだした壮大なスケールのデビュー長篇。