葬られた王朝ー古代出雲の謎を解くー 梅原猛 | ちわ☆わんつーmemory 

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日々の忘れたくないこと

葬られた王朝読了
梅原さんの「隠された十字架」や「水底の歌」に衝撃を受けたことから、その三部作完結ということばに、非常に興味を惹かれた作品ですが、他の方のレビューを読むと、けっこうキツイことが書いてあるんですよね。

「神々の流竄」で“出雲神話は大和に伝わった神話を出雲に仮託したもの”とした説を、40年の間に発掘された考古学的発見から見なおし反省し、新たに出雲の謎を考えた作品です。
葬られた王朝: 古代出雲の謎を解く (新潮文庫)/梅原 猛
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内容紹介
かつて、スサノオやオオクニヌシの出雲王朝がこの国を支配していた。韓国から渡来したスサノオは人々を苦しめる豪族=ヤマタノオロチを退治し、出雲平野に豊かな王国を築くがやがて衰亡。南九州から東征してきた天孫族に国譲りを迫られる。その出雲王朝の存在を歴史の闇に葬ったのは?
『隠された十字架』『水底の歌』に続く3部作の完結篇にして、日本古代史を塗り替える衝撃的論考。
結論としては「古事記」「日本書記」の作成に藤原不比等が深く係わっている。
これが言いたかったのではないかと思うのですが。


  …「出雲神話」はフィクションと考えた昔の私は間違っていたので、それを改めに出雲を訪れた…
自説が間違っているのを認めたのは潔いと思ってしまうのは欲目でしょうか?
井沢元彦さんの本 で「学者ははっきりわかったことでも自分の間違いを認めない」と読んだあとだったので、余計この認めたことに好印象を持ったのですけど。

出雲神話は作り物と思っていた過去 
それが出雲大社が古代には一番高い建物であったことや、荒神谷遺跡など出雲の地においての発掘調査で
神話として語られたことが、実は本当にあった事ではないか、と改めて考察して語られている説です。

これは読んでいておもしろいです。
また先日出雲展 で見た銅鐸ですが、その銅鐸を仔細に観察した考察。
銅鐸は馬の首に付ける鈴から発展した宝器という説など、「あり得る、あり得る」と納得してしまいました~
大陸から来た人々にとって、韓式馬車は貴人の象徴だったから、馬に付ける鈴も象徴であり、神を祭る時に鳴らす鈴は宝器になった。
それはいまでも神社に吊るされている鈴を鳴らす行為に繋がる。
そこからスサノオや出雲族が大陸から来た民族ではないかと見ています。

神無月=出雲では神在祭
これはオオクニヌシの葬式という説も「そうなの~?」と思ってしまいました。

それにしても、この関係地を訪ね歩く梅原さんのタフさに驚きです。
最初の方は紀行文
今から4年ほど前の事ですが、もう85歳近い梅原さんが出雲等行かれています。お元気ですね。このバイタリティがあるから本を書いたり、調べたり、人間を突き動かすのですね。