その日まで 紅雲町珈琲屋こよみ 吉永南央 | ちわ☆わんつーmemory 

ちわ☆わんつーmemory 

日々の忘れたくないこと

紅雲町ものがたり の続編ですが、時系列としては前作と並行かと。 前作『紅雲町ものがたり』で老いが目立った幼馴染の由紀乃さん。
息子に引き取られて、紅雲町から離れて行きましたが、この作品ではまだ自宅で暮らしています。
前回も思ったのですが、ミステリーで人の心情の描写も良くて、いい作品だと思うのですが
設定に違和感
主人公は70代のお草さん。和食器などの小物とコーヒー豆販売のお店、小蔵屋を営業しています。
この小蔵屋、コーヒーの試飲ができるので毎日その試飲で訪れる常連さんからいろいろ情報が入ります。
試飲=無料 毎日飲みに来れるものでしょうか? 一度ならいいけど、ずうずうしいと思われないかと、普通なら遠慮しないだろうか。。。?
とてもタダのコーヒーを毎日飲みに行く勇気は私にはありません。。。

その日まで―紅雲町珈琲屋こよみ/吉永 南央
¥1,750 Amazon.co.jp


今回は切ない出来事、ちょっと腹立たしい出来事が小蔵屋を襲います。
近くに同じような雑貨を扱う「つづら」というお店ができます。
ライバルです。 小蔵屋はいやがらせを受けたり、誤解されたり。
お草さんもちょっとイラっとさせられたり、迷惑をかけられたり。このお店がいろいろと本編の最後まで係わってきました。
今回は1話づつのお話のようでひとつに繋がった内容。

タケルくんと知り合ったお草さん。
淋しいタケルくんについ関心がいってしまい、タケルの叔父さんに当たる田沼という三十くらいの男性とも顔見知りになりました。
設計士の田沼に久美ちゃんは惹かれ始めたようですが…


やっぱりお草さんの心の中から死んだ息子の良一が抜けません。
小さな子がどこかおかしい様子だと心にひっかっかって忘れられない。
もし誰かが一声掛けてくれていたら息子は死なずにすんだかもしれない
その思いは今回もお草さんの行動の根底にあります。

これを読むと自分の行動を振り返るきっかけになりますね。
回りについ無関心になってしまう現実があるから…だって怖いこともあるじゃないですか。おせっかいをしたばかりに。。。

お草さんも、ちょっと危ない目にあったりしますがちわ☆わんつーmemory 彼女は負けない

40歳の頃、再婚相手にと見合いらしき段取りをされた相手が出てきたり。。。人生にはいろいろな転機があったことを窺わせる過去が垣間見えます。

お年寄りとしてお草さんをみてしまうと、よく頑張れるな~と思うのですが。
年をとっているからこそ相手の懐に飛び込めるのか、これは年齢は関係なくお草さんの人柄なのか?
不思議な作品だと思います。
もう既刊の一冊も読む予定で、、、






ちわ☆わんつーmemory ポチっとしていただけるとうれしいです。
ちわ☆わんつーmemory にほんブログ村 本ブログ 読書備忘録へ