東京ミッドタウン ガレリア館3階のサントリー美術館
不滅のシンボル鳳凰と獅子展に行きました。
ガレリア館吹き抜けにも懸垂幕
会期は7月24日までですが、見たかったのは7月4日までしか展示されていない伊藤若冲の作品です。
「旭日鳳凰図」
大きな作品、そして緻密。鳳凰の胸の羽毛まで細かい。
雄の尾の先端は青に赤 雌は赤に緑 ゆっくり見ることができました。
古代中国で空想から生まれた鳳凰
ライオンから派生した獅子
鳳凰と獅子はどちらも高貴で覇気あふれるシンボルイメージ
会場の入口で出迎えてくれる狛犬 高麗犬とも表され犬に似た想像上の日本の獣
加治将一さんの『失われたミカドの秘紋』
の中でライオンが「重要な建物の入口を守る動物」であることが中東から東洋へも伝わったのではないかと書かれてました。
ライオンの生息する地域から中国に伝わって獅子となり、日本へ伝わり唐獅子となる。古代世界は思った以上に狭かったことがわかります。
鳳凰は昔から姿が変わりませんが、獅子は現代へ向かって姿に変遷があります。
「日吉山王・祇園祭礼図屏風」
会場に入ってすぐ正面にあるこの屏風 室町・桃山時代の作。この屏風も7/4までの展示です。
手前の船の上に神輿。その屋根の上に描かれている鳳凰は現代の神輿の鳳凰と一緒です。
獅子の方は獅子舞の獅子頭にも変化が見られました。
守護獣の獅子 狛犬
狛犬と獅子の違いが分からずに調べました。
神社などの入口の両脇、本殿・本堂の正面左右などに一対で向き合う、またその際には無角の獅子と有角の狛犬とが一対とされる。飛鳥時代に日本に伝わった当初は左右の姿に差異はなかったが、平安時代になってそれぞれ異なる外見を持つ獅子と狛犬の像が対で置かれるようになり、狭義には後者のみを「狛犬」と称すが、現在では両者を併せて狛犬と呼ぶのが一般化している。(ウィキ)
このセットにも阿形・吽形がありました。
阿は口が閉じていて耳が立っている狛犬。吽は口が開いていて耳が垂れている獅子。
私が耳と思ったけど、もしかしたら角?
だんだん不思議が増えてきます…
鳳凰に桐なら獅子は牡丹
歌川広重作「獅子の児おとし」
珍しく縦長の配置。 獅子は千尋の谷にわが子をつき落とすということわざを絵にしたものですが、ここにも牡丹が描かれています。
こちらは小野田直武の「獅子図」
江戸時代の作品です。もう外国の図鑑などが日本に入って来ているので、ライオンの姿に似て描かれているのですが、なぜか背景が山水画。目もブルー
まだまだライオンになじみがない
獅子を描いた絵のなかに面白い構図の作品があって目を引きました。
画像がなくて残念ですが英一蝶の作品でした。
「瀑布獅子図」 滝が獅子の頭の上で二つに割れている
また、こちらは構図ではなく獅子自体がかわいい絵
「後醍醐天皇像」
江戸時代の作品で作者不詳
手前に描かれた2匹の獅子がユーモラス でも狛犬と同じように描かれていることで天皇が神格化されたことが分かる絵です。
テーマに選ばれた鳳凰と獅子
おめでたい鳥と獣 瑞鳥 霊獣 の作品を堪能
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