沙門空海唐の国にて鬼と宴す 1 夢枕獏 | ちわ☆わんつーmemory 

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日々の忘れたくないこと

こちらの文庫版は2月に発売されたもの。初出は2004年
読書ブロガーさんのところで見つけておもしろそうで図書館へリスエスト

沙門空海唐の国にて鬼と宴す〈巻ノ1〉 (徳間文庫)/夢枕 獏
¥700 Amazon.co.jp
貞元二十年(西暦八〇四年)。遣唐使として橘逸勢らとともに入唐した若き留学僧・空海。洛陽での道士・丹翁との邂逅を経て長安に入った彼らは、皇帝の死を予言する猫の妖物に接触することとなる。憑依された役人・劉はすでに正気を失っていたが、空海は、青龍寺の僧とともに悪い気を落とし、事の次第を聞くことになった。(内容紹介より)



このところチャイニーズの作品が続いています。こちらは舞台は中国ですがメインは日本人。
この作品、図書館から手元に来てからAmazonのレビューを読んだら「陰陽師」と似た二人なんてことばを何度も見つけた。
「陰陽師」まだ手を出していないんですよね今更になってしまって。でもolivegreenさんの記事 見て読んでみようか?とか思ってますが…


こちらの二人とは空海と橘逸勢で遣唐使として唐に着いたばかり
これから20年間唐で過ごすことになる予定。どうも若い空海のイメージが湧かない。このとき32歳とのことですが、なぜかな? 堂々とした物言いや落ち着いた言動からか、私の思い浮かべる空海が日本へ帰ってきてからの姿しか出てこないからか、最初は戸惑いました。


長安の都は爛熟期    長安、今の西安です。けっこう内陸


大きな地図で見る

長安には大陸の西域からもたくさんの人が集まっていた。

日本から出港した4隻の遣唐使船のうち2隻は沈没。空海たちの乗った船も目的地からは遠く離れた福州(台湾に近い)のあたりに着いてしまいます。
この船の上での行動から空海は余人と違っていた。
空海は物知りです。逸勢がクサるくらいに。そして泰然としている。どんな状況でも。


空海が知りたかったのは“宇宙や生命について”
もとは逸勢と同じように儒生だったが、儒教を捨て、あふれる程の才能を持ちながら無名の空海は自費で唐に渡った。

そんな空海が唐で出会ったのは各国から来ている人々。
胡人と呼ばれる色白く碧眼の人たちや、天竺生まれの人物など。国際色豊か。

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空海は西市に近い西明寺に暮らしながら、貪欲に西域の宗教の知識までを吸収しようとしていた。

逸勢に誘われて妓楼へ行った空海は猫に取り憑かれた役人の話を聞く
この役人を助けるために空海がいろいろと手助けをすることになるのだが、この手助けを通して青龍寺の僧侶鳳鳴と知り合った。鳳鳴は西蔵の人。今でいうチベット。
お互い認め合った技量の持ち主だが、空海は一日も早く「密」を習得するために青龍寺に入りたいと思っていた。


猫の妖物はなかなかに力が強く、根も深いようで1巻では話は完結しなかったです。
続きが気になりますよ~



空海と逸勢の間に関しては、私の感想はあまりないなあ~
空海が持っているいろいろな蘊蓄を一人ではしゃべられないから、逸勢が引き出し役でいると思っています。

それより何故夢枕さんが空海を選んだのかが不思議だったけど、空海は「真言」なんですね。
私は宗教に対して無頓着、知識無しな方なので、ここに頭が回らなかった。
呪やマントラなんて出てくると「キマイラ」を読んだ時の楽しさ、真言のおもしろさを思い出しました。

続けて「2」が読みたいところですが、なんといっても図書館利用の哀しさ 今出しているリクエストをキャンセルするのも忍びない。
少々間が空きそうです。

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