6月21日、私の父が永眠いたしました。

60歳の誕生日を目前に控えての早すぎる最期でした。

 

 

今日は、皆さんに伝えたいことがたくさんあるのでブログを書きます。

 

 

皆さん、皆さんは、大切な人に、その気持ちをちゃんと伝えることが出来ていますか?

忙しいことを理由に、約束を伸ばし伸ばしにしてはいませんか?

 

いつかいつかと思っていることは、今、やらなければいけません。

なぜならそのいつかは、必ずやってくるとは限らないからです。

 

 

ラジオなんかでご存知の方もいるかと思いますが、父は本当に亭主関白な、昭和からタイムスリップしてきたのかと思うくらいの人で、娘である私は、生前父と、あまり仲良くできませんでした。

よくある父と娘のように、父のことを嫌だと思うことも、幾度となくありました。

 

でもそんな父が、入院したベットで見せる姿は本当に弱々しく、見るたびに心が痛み、でも父の前で泣くわけにもいかず、夜自分の部屋で涙を流す日が続きました。

 

このままではいけないと。父とちゃんと話がしたいと、今までそっけない態度をしてきたことを謝りたいと、一晩悩みに悩み、決意をしたその日。まさに私が病院に向かっているその時、父は天国へと旅立ったのです。入院からわずか5日目のことでした。

 

もう、何も話を聞くことが出来ない父に、一番に出てくる気持ちが「ごめんなさい」であることは、本当に本当に本当に辛いことでした。

これまでの人生はもちろん、おそらく、この先一生のうちでも、こんなにも後悔することは、もうないと思います。

 

「ありがとう」も「ごめんね」も、気持ちを伝えることは本当に簡単なことです。

悩む必要なんかなかった。思ったその時に、伝えるべきだったのです。

 

 

こんなにも辛く、むなしい気持ちを、もう誰にも味わってほしくありません。

  

だから考えてみてほしい。

 

家族とけんかをしてはいませんか?ずっとムキになったり、素直になれない関係。でも本当は、大切な人だと分かっている関係。

そばにいることが当たり前で、ついつい感謝の気持ちを伝えられない人。

 

皆さんにとって、本当に大切な人は誰か、考えてみてほしい。

そしてその人に伝えてほしい。大切に、思っていること。

 

 

25日のライブ。

 

絶対にやると決めていたはずが、実は一度だけ、揺らぎました。

やりたくない…と言うよりは、出来るんだろうか、と思いました、正直。

 

でも、本当にやってよかったと心から思っています。

 

なぜかというと、ファンの皆さんからの愛を、あの日たくさんいただき、私は元気を取り戻したからです。

「気持ち」って伝わるんだな。本当は、カタチのあるものなんだなと、あの日ほど感じたことはありません。

皆さんに、感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

そして、照れくさいのか(?)一度も私のステージを見たことがない父も、きっとあの日は堂々と見ていたと思うのです。だって本当に正直、直前何もできず、ご飯も喉を通らず、眠れないような状態だったのに、あの日あんなにも良い状態で、最後まで歌うことが出来たのは、何か不思議な力が働いたからとしか思えません。

 

 

親身になって支えてくれた親友たち、仲間、関係者の皆さま、スタッフ、

そして何よりも、ファンの皆さまのおかげで、私は前を向いて生きていこうという気持ちに、ちゃんと戻ってきました。

 

人と人とのつながり、その深さと尊さを、これから忘れずに生きていきます。

 

 

最後になりましたが、生前父に対して寄せられました、皆様のご厚情に、心よりお礼を申し上げます。

こういうことになってはじめて、私が知っていた家族の中での父以外に、父にはたくさんの世界があって、私の知らない父の顔がたくさんあったのだと知りました。たくさんの方々の繫がりや支えがあって、家族も暮らしていたのだと分かりました。

今後とも父の生前同様にご厚誼をいただき、ご指導を賜りますようお願い申し上げます。

 

 

佐藤実絵子