『あの日からのマンガ』(しりあがり寿・エンターブレイン)

                    マンガが描く 3.11  ラファエル


 震災関連マンガを少しずつ読んでいる。その中の一つがこれ。


 3.11以来、しりあがり寿は、東日本大震災をテーマにしたマンガを描き続けている。そしてそれが単行本になった。月刊コミックビーム発表作を中心に、朝日新聞夕刊連載の4コマ『地球防衛家のヒトビト』などに描き続けたものを集めたマンガである。


 みんなで「揺れた!揺れてない?」!と言って地震だとわかるとなぜかほっとする毎日のことを描いているところでは、阪神淡路を思い出した。


 また、援助の自衛隊の姿が、「テレビで見てると頼もしい自衛隊が」「現実の風景の中では」「何だかちっちゃく見えた!」と、その視点は鋭い。


 成績表を見せた子どもが「平均よりよくありませんが、ただちにボクの将来を決定づけるものではなく」「この程度の成績が何年か続いても・・・」と言うなど、笑いも忘れない。 (笑)


 「文化庁メディア芸術祭」マンガ部門優秀賞を受賞。我々が、忘れないためにも、今後も書き続けてほしい。