昨日、「緊急地震速報」の「誤報」が流れました。その直後、福島の爆発事故のニュースが流れ、よくわからない午前中を過ごした筆者です。
では、今日のテーマ。
緊急地震速報は、地震が起きないと発表されません!
緊急地震速報のしくみは、今は小学6年生の理科で習うそうです(ネット調べ)。
※「緊急地震速報」そのものは小学1年から習うそうです(同)。
我々が学生のころ(筆者は昭和50年生まれ)はそんなものなかったので、仕組みは意外に知らないと思われます。
さて、地震の揺れには2種類あって、「伝わりは早いけど小さい揺れ」(P波・初期微動)、「ゆっくり伝わるが大きい揺れ」(S波・主要動)があります。
私たちが普段見聞きする「緊急地震速報」は、地震計が「P波」を感知して、そのデータを瞬時にコンピューターが解析し、「震度5弱」以上の地震が予測される場合、「予想される震度が4以上」の地域を対象に発表されます。
実際に地震が起こると、複数の地震計から情報が送られてきますので、ものすごいスピードで計算をやり直しながらコンマ秒単位で情報を更新し、発表する範囲が広がった場合には「続報」として地域の追加がされる場合もあります。
(NHKをみると速報画面の地図の点滅部分が追加地域)
①「緊急地震速報」は地震予知ではなく、実際に起きた地震を大きい揺れが来る前にいちはやく強い揺れが来ることをお知らせするものである。
②「スピード」を重視しているのである程度の誤差がある
そう、「緊急地震速報」が発表された以上、地震そのものはすでに起きているのです。
ちなみに気象庁では、「緊急地震速報」を発表した地域が震度3以上だった場合には、正確性では合格点としているようです。
ただ、「スピード重視」とはいっても、「誤報を減らす」ルールがあり、それは、「2つ以上の地震計の情報を使う」ことです。1個所の地震計では落雷などの影響で誤報が出やすいそうです(気象庁HPより)。
「緊急地震速報」にも限界があります。
まず、「直下で起きる地震では速報が間に合わないこと」。例えば、「阪神・淡路大震災」(1995年)で当時「緊急地震速報」のしくみができていても恐らく間に合わなかったでしょう。
「熊本地震」や、「大阪北部地震」も間に合っていませんでした。
「東日本大震災」のように、地上から離れた震源の場合は、十分に間に合います(といっても数秒~数十秒)。「南海トラフ地震」でもおそらく「緊急地震速報」自体は間に合うのではないかと思います(絶対とはいいませんよw)。
では、昨日の「誤報」はなぜ起きたか?
詳しい説明は気象庁からありませんでしたが、「地震計と震源との遠さ」が関係しているのではないか、と思います。今回は震源が「鳥島近海」で地震の大きさが「M5.7」、決して小さい地震ではないですが、震度1以上を観測したところがなかった、ということはそれだけ「地震計」から遠い位置だったわけです。
「弱点」を突かれてしまったわけですね。「科学の力」にもまだまだ限界はあります。でも、きっと気象庁さんはこれを乗り越えてくれると思います。
最後に。
昨日、「緊急地震速報」を受信した皆さん、どう行動しましたか?
瞬時に安全な場所に移動して姿勢を低くして(しゃがんで)頭を守る、これがどの程度できていたか、そのほうが問題だと思います。
実は、緊急地震速報を受信した人間もコンピュータみたいな速さで頭を回転させないとなりません。
僕も家の中ならできますが、外を歩いていてってなったときにうまく行動できるか、といわれると自信ないですよw。
多分、周辺を見回して戸惑うと思います。周囲の「目」も気にしちゃう(笑)。それじゃあよろしくはないんですが。
ただ、家の中は一日でいちばん過ごす時間が長いですし、見られているのも家族だけです。安全な場所も分かっているはず。
せめて、家の中だけでも「瞬時に行動」できるようにしてくださいね。
今回も最後までご覧くださいましてありがとうございました。
轟コンサル
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