葉鳥~可愛いよ♪~葉鳥ぃ~~~~
【あらすじ】
夢の島で猟奇的な餓死死体が発見された! 捜査を担当することになったのは警視庁刑事の上條嘉成。鍵を握るのは第一発見者の少年だ。ところが保護者として現れたのは、臨床心理士の瀬名智秋。なんと上條が高校時代に可愛がっていた後輩だった!!変貌を遂げた瀬名との再会に驚く上條。
次なる謎の失踪事件。その被害者の関係者として事情聴取に赴いた東誠会若頭の新藤とその愛人葉鳥とその場で偶然行き合わせてしまった上條と瀬名。瀬名と進藤は従兄弟同士だというが・・・・
そして、その失踪事件の被害者は新たなる餓死死体として発見され、連続殺人事件へと切り替わる。
過去に複雑なる接点を持つ4人が其々の思いに駆られながらこの事件へと巻き込まれていく。
感想等
4冊一気に読みました!!面白かった!!!
先にドラマCD聴いてからの原作読みです。
ドラマCDも良くできていましたが、補足やカットされたエピソードもみたかったので
(カットされたエピソードの殆どはあまり重要では無かったけど、彼ら4人の生活や他の人間関係も
読めて良かったです)
本作品は連続殺人事件の犯人を追うとともに、
主な登場人物、警視庁捜査一課の刑事上條とアメリカから一時帰国中のクリニカル・サイコロジストの瀬名。東誠会若頭で次期会長候補の新藤。そしてその愛人の葉鳥の現在から過去に至る恋愛関係を描いてます。
BL小説だと恋愛以外のお話がお粗末なものもありますが、
本作品はミステリー小説としてもなかなか面白いですし、メインの2カプ以外の人間関係も
描かれていますので、ベタベタな感じじゃなくて一般作としても読めるかと思います。
(普通のミステリー小説だったら、犯人が分かったところで終わりですが、
事件後に発展する二組のカップルやその他の人々も描いているところがBL小説ですね)
本作品の題名でもあるダブルバインドを表す行動や言動であらゆる登場人物たちを
迷い悩ませます。(はっきりとダブルバインドだと表現されている部分もありますが、この行動もダブルバインドなの?と思わせる描写も含めると作品中にかなりこの事象は散りばめてあると思う)
それを読み解くのも面白いかと思います。
っと小難しい話はこれにて====
葉鳥~可愛いよ♪~葉鳥ぃ~~~~
男でありながら極道の愛人の葉鳥忍くんがお気に入り♪
メインカップルは、上條×瀬名 なんでしょうけど、
自分の中では、こちらはほのぼのお笑いカップル。
その理由は、上條の「俺はホモじゃない!俺はホモじゃない!」と叫びながらも
瀬名に恋心をもっていると認めると「そうだ。ホモになろう」で説明できるだろう(笑)
この超ポジティブシンキングが過去の恋愛にトラウマを持つ瀬名をある意味グイグイ引っ張っていきますので、
安心の進展具合。
とにかく、反発(罵詈雑言)という形で上條に甘える瀬名とそんな瀬名に振り回されるが深く考えない
ツンデレ夫婦漫才といったところ。
その一方で、お互いにとても愛し合っているのにすれ違う新藤×葉鳥。
「他の男と寝てもいいから、最後は俺の所に戻ってきてくれ」と愛人葉鳥に縋る極道新藤。
「あんたのために役に立ちたい」「あんたに捨てられたら生きたいけない」とまで
言っている葉鳥くんなのですが、
新藤の愛情をまともに受けると、その愛情が冷めた時の恐ろしさから、
心に防衛線を張って結果的に新藤の気持ちを受け入れない葉鳥。
ある意味超イライラカップルなんですが、不器用萌え。
まぁ~葉鳥くんがコケティッシュで可愛いエロいっすよん。
あらゆるところでちょいエロなこと言っちゃったり、
元暴走族のリーダーのクジラくんをその気もないのにその気にさせちゃったり。
ホントに性悪。そこが可愛い♪
最後は、それぞれにまとまるんだけど、
まとまったはずなのに、上條は新藤に、葉鳥は瀬名に最後までヤキモチ妬くんだよね。
その点、新藤、瀬名は極道の血が流れているのか?ブレない。
エロシーンも文章全体から見れば少ないかな~と思いますが、ボリューム以上に萌えます。
二人の受けキャラ、瀬名の大人可愛いと葉鳥の子供可愛いが何とも可愛い♪
ラストの締めが、新藤と瀬名のお互いが今幸せかと問うシーンなんですよね。
事件や2カップルの恋の進展の中での本作品の大筋は、
嘗ての恋人同士の新藤と瀬名、それぞれが新しいパートナーと幸福であろう人生を歩んでいく
までの遠い道のりだったのかな?
腹違いの兄弟でなければ、確実に人生の伴侶であったであろう二人。
その絆を断ち切るというのは、大変苦しいものであったのだろう。
実質、恋心という部分では「兄弟」という事実があるので、お互いに諦める方向で時間を過ごしたんだろうけど、人としての絆まで一瞬にして無残に断ち切ってしまった形だったことが、瀬名を苦しめた。
新藤サイドの話は殆ど描かれてなかったのですが(母の葬式の時に一時帰国した瀬名に再度冷たい対応したのはまだ気持ちが残っていたからという描写は有った←これがまた瀬名をさらに傷つけることになっちゃったのですが)、断ち切った側の新藤もそれなりの苦しみはあった。
4巻通しての所々に描かれたかつての恋人同士の新藤と瀬名の場面。
育まれる2つの愛のすぐ傍らで終わらせる愛も同時進行でちょっと切なかったですね。
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*新藤×葉鳥のダブル・バインド後日談「アウトフェイス」の感想等はコチラ
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