ビッグ・ウッド | エンドウ・アソシエイツ加藤峯男の無陸

ビッグ・ウッド

 ハムステッド・ガーデン・サバーブは、ヘンリエッタ・バーネットが開発した住宅街です。引退して余生を送るつもりでいた彼女が住宅開発を始めた理由は、地下鉄ノーザンラインの延伸でハムステッド・ヒースが乱開発され、無くなってしまうことを恐れたからです。ハムステッド・ガーデン・サバーブの中には、彼女が守ろうとしたハムステッド・ヒースの自然がほぼ原形のまま残っているところがあります。今日紹介するビッグ・ウッド(BIG WOOD)です。


 添付の写真を見ていただけるとわかると思いますが、ビッグ・ウッドは、ドングリの実がなるクヌギやコナラ等が残る武蔵野の雑木林によく似ています。ここへ来てはじめて「ヒース」という言葉の意味が分かった気がしました。英国人が意味する「ヒース」は、多分日本語に翻訳すると「雑木林」ではないかと思います。


 武蔵野の林は、関東平野に元々あった原生林が富士山の噴火で一度焼け野原になった後、火山灰が降り積もった関東ローム層の大地の上に再生された第二次林です。大方がクヌギやコナラ等の雑木です。樹形がよくないため、和風庭園では滅多に植えられることのない雑木で覆われています。いわゆるドングリの木です。「ヒース」がドングリの木の雑木林であることを証明するように、実際にビッグ・ウッドの小路を歩いてみると、ドングリを餌とするリスを何匹か見ました。


 前々回のレストランの昼食後、引き続きハムステッド・ガーデン・サバーブの住宅街巡りを再開し、しばらくしてこのヒースの林にぶつかりました。ヒースの林は二日前に降った雪が残り、その中の小路がどこまでも続くような気がして、その大きさがどのぐらいなものか推し量ることができませんでしたが、この研修旅行のコンダクターの強権を執行して、ヒースの小路を突き進むことにしました。


 事務所協会港支部仲間、天城さんは70過ぎの女性ですが、4日間の強行日程であったロンドンのタウンハウス巡りの街歩きをずっと一緒に行動したメンバーの一人です。彼女は、雪道で滑って大けがをしたことがあるということで、ヒースの雪道を歩くことを嫌がっていましたが、越坂部さんが恋人同志のように腕を組んでエスコートすることで、私達と一緒にヒースの小路に入ってきました。もちろん、天城さんは若い男性にエスコートされて大変喜んでいました。下の写真の一枚にその姿が写っています。



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