武者小路実篤記念館
実篤自身の朗読による『歓喜雀躍』をぜひ聴かれたし。

生れたる者は
やがて死ぬ者なり
我も亦
やがて死なん。

だが生きている間は生きる也
我らしく生きる也
何者にも頭を下げず
いじけずに生きんと思う。

我は歩くなり
大道を歩くなり
いじけずに歩くなり
死ぬまで歩くなり。

我は死ぬ者なり
いつまでも生きられぬ者なり
されど生きている間
我は昂然と生きんことを欲する。

我男子(おのこ)たり  男子の如く生きん
われ日本人なり 日本人の如く生きん
われ人間なり 人間の如く生きん。

人間は死ぬまで生きる也
人間として生きる也
我 人間として生れしことを
後悔せずに生きぬかんと思う。

生きる也
今 春の日なり
春の日に生きる也
弱ってはいられぬ也
昂然と生きる也。

昂然と生きる也
内に生命あり
生命の命ずるままに生きる也
いじけてはいられぬ也。

あゝ生きる也
死ぬ迄は生きる也
我は昂然と生きる也

歓喜雀躍して生きる事を
生命は我に命ずる也
我は赤坊(あかんぼう)や子供の如く
歓喜雀躍して生きんと思う也