アメックスの戦略 | クレジットカードミシュラン・ブログ

アメックスの戦略

 9月22日の「メレンゲの気持ち」では,つんく♂が控えめながら少々自慢げに,アメックス・センチュリオン・チタンカードを出していたのが放送され,お約束というか,久本雅美の「戦車が買えるカードですか?」には笑ってしまいました。こういうのが都市伝説を生むのでしょう。


 ちなみに,アメックスが設定している実際の与信額は,カードの色ではなく会員個々の収入状況及び資産状況による。


 以前は,高橋英樹も同番組にて,同様にアメックス・センチュリオンカードを自慢げに見せていたのが印象的でしたが,こういうのも突き詰めていくと,アメックスの上手い戦略の一つではないかと思ってしまいます。


 ところで,アメックスは,先日のGE Moneyとの提携カードに加え,今度は,三菱UFJニコスとの提携も予定しており,アメックス提携カードによるプレミアム市場の拡大を狙っていることが窺えます。GE MoneyのWeb Siteでは,アメックス提携カードのカード番号として,3778を使用し,3777の《セゾン》アメックスカード同様に,あくまでブランド及び一部のサービスを共有する「提携」カードであることがわかります。


GE Money American Express Card

http://www.ge-a.jp/index.html


三菱UFJニコスのプレスリリース

http://www.cr.mufg.jp/news/2007/070919_01.html


 カードの種別は,セゾンが,ブルー及びプラチナ,GE Moneyは,レギュラー(ブルー相当)及びゴールド(グリーン又はゴールド相当?)を発行していますが,三菱UFJニコスは,ゴールド及びプラチナの発行を予定しており,従前のゴールドよりもワンランク上のカード設定を考えているようです。ただ,DCゴールドといえば,老舗の都銀系カードで,それなりにステータスもあったようなので,このあたりはどうかな?と個人的には思いますが,世代も変わっていることなので,それはそれでいいのでしょうね。


 最近,新興のカード会社では,ゴールドを超えるプレミアムカードの発行が増えている状況にありますが,決済市場はどちらかといえば,iDやQUICPayなど日常的な小口決済にシフトしていることが窺えます。車でいえば,高級車やセダンよりも,経済的な軽自動車や道具的なミニバンにシフトしている状況と同じような印象を持ってしまうのですが,今回の提携は,車に例えると,レクサス的な発想といってもいいのかも知れません。

 三菱UFJニコスが,アメックスというブランドを上手く活用できるかは,サービスコンテンツと”そのカードを持ちたいと思う憧れ的なイメージ戦略”が必要ではないかと思います。


 クレジットカードといえども,ある程度,見栄は必要な面はあるのではないかと思うのですが,これらの新しいプレミアムカードがどれくらい一般に認知され,また,見栄として通用するかが,普及の鍵でしょうか。


 国内限定プレミアムカードと国内外共通プレミアムカードと,違いはあるものの,国内の最上級プレミアムカードとして,先行したダイナース・プレミアムが今ひとつの知名度であるのに対し,アメックス・センチュリオン・カード発行当時は,様々な会員に対しインビテーションを送付し,PR効果を図り,その後,入会を著しく絞り希少性を高め,また芸能人を上手く利用し,知名度とプレミアム度を高めていった方法は今ではさすがと思います。


 しかし,最近のクレジットカードは,ポイントプログラム(マイレージなど)が注目が集まるなど,本来の現金の代わりの決済機能である道具的な使われ方に進んでいることは間違いなく,日本のプレミアムカード市場は,プレミアムカードが持てはやされているアジアよりは,いろいろなプレミアムカードが発行され,フェードアウトするUSみたいな形に近くなるような気がしないでもありませんが,どうなるでしょうかね。