JCBとDISCOVERの加盟店相互開放 | クレジットカードミシュラン・ブログ

JCBとDISCOVERの加盟店相互開放

 JCBの加盟店開放といえば,米国はAmExと提携し加盟店開放を行うということでしたが,一転,DISCOVERと提携してしまいましたね。


http://www.jcbcorporate.com/news/dr-563.html


http://pressroom.discovercard.com/data/articles/2006/08/23/200608241105540.shtml

 DISCOVERにとっては,日本でも使えるので,それなりにメリットを感じての話かと思うのですが,JCBがDISCOVERと提携したのはちょっと意外でした。


(記事追加)

 JCBとDISCOVERの提携は,JCB側からは米国での加盟店数拡大,またAmExとの加盟店開放が進んでいないことと(確か,以前のニュースリリースでは,メキシコを皮切りに米国にも拡大という情報だったような気がしています。),DISCOVER側からは,アジアにおけるDISCOVERカードの加盟店拡大を狙っていたということが窺えます。DISCOVERは先(2005年12月)に中国UnionPayと提携し,加盟店の相互開放を行っていますので,JCBでの提携はUnionPayに続くアジア戦略の一つだといえるでしょう。


ちなみに中国UnionPayは,2002年1月にカードが発行された比較的新しいクレジットカードネットワークで中国版JCBとでも言っていいかも知れません。


http://www.chinaunionpay.com/englishversion/cup_eng.aspx?tid=12


 さて,JCB会員にとっては,米国で飛躍的にJCB加盟店が増える訳ですが,問題なのはやはり加盟店側の認識でしょうかね。異なるカードブランドの加盟店相互開放で最も障害になるのは,加盟店の理解度ということになりそうです。


(記事追加)

 JCBとアメックスとの加盟店提携についての当時(2001年9月)のニュースリリースは,web archiveにありました。

http://web.archive.org/web/20011105233229/http://www.jcb.co.jp/jcb_newsrelease/dr-160.html


当該記事の最後のところを引用すると,

日本・メキシコを初めとするこれらの加盟店業務相互委託開始により、JCB会員はこれまで通り、JCB加盟店、アメリカン・エキスプレス会員はアメリカン・エキスプレス加盟店でご利用でき、かつ、短期間に加盟店が拡大・整備されます。 また、米国においては、アメリカン・エキスプレスの自社クレジット端末機でのJCBカードの取り扱い促進を、双方協力して行なってまいります。」


とあり,米国でのアメックス加盟店でのJCBカード取扱開始を示唆しているように思えます。


 また,当時の毎日新聞の記事でも

http://web.archive.org/web/20010219155051/http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200006/15/0615m021-200.html


アメックスは豪州、ニュージーランド、カナダの加盟店業務をJCBから受託。この3カ国のアメックス加盟店で、JCBカードの利用が可能になる。また米国でも、アメックス製カード読み取り端末でJCBカードが利用できるように仕様を変更。JCBは同国で広く普及したアメックス端末をベースに加盟店を増やせるようになる。」


 とあり,当時の記事と現在のDISCOVERとの提携を考えると,米国でのアメックスによるJCBへの加盟店開放は結局は進まなかったということでしょうか。